「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、
どこまでもどこまでもいっしょに行こう。
僕はもう、あのさそりのように、ほんとうにみんなの幸のためならば
僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない」
「うん。僕だってそうだ」
カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいはいったいなんだろう」
ジョバンニが言いました。
「僕わからない」カムパネルラがぼんやり言いました。
「僕たちしっかりやろうねえ」
ジョバンニが胸いっぱい新しい力が湧くように、
ふうと息をしながら言いました。
「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ」
カムパネルラが少しそっちを避けるようにしながら
天の川のひととこを指さしました。
ジョバンニはそっちを見て、まるでぎくっとしてしまいました。
天の川の一とこに大きなまっくらな孔が、どおんとあいているのです。
その底がどれほど深いか、その奥に何があるか、
いくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えず、
ただ眼がしんしんと痛むのでした。
ジョバンニが言いました。
「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。
きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
どこまでもどこまでも僕たちいっしょに進んで行こう」
「ああきっと行くよ。
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