盲導犬のしつけ

「盲導犬の躾とリーダーの存在」



盲導犬の躾は「褒めることと、しかること」これは子供の躾とまったく同じですね。
褒めてばかりでもだめだししかってばかりでもだめです。この二つのバランスが大事です。
また褒めるのはいいけど、甘やかしてはだめ。しかってはいいけど怒ってはいけない。愛情を持って接することが大事です。これらの躾は盲導犬だけのことではなくてPETの犬でも同じだと思います。

では「しかる」と「怒る」の違いを話します。
しかることは犬がいけないことをして、やめさせたいときに示す人間の態度です。「ノー!」という言葉を使ったりチョークをしたりします。
チョークは首がしまる首輪を使って一瞬締め付けるのです。人間が首をしめることを考えて可哀想と思う人もいると思いますが、犬にとってはそんなに苦しいいものではなく、人間の子供がお尻をたたかれる感じと似ています。
目的は痛みつけるのではなくこちらの不快感を犬に伝えることです。
だから思いきってチョークをするとか、大きな声でしかるとか、たたくとかいうのは
それだけではなんの効果もなく、怒っているのと同じになります。効果がないだけでなく逆効果になってしまうこともあります。
しかるのは、「おまえがそれをすると俺はとても不快なんだ」という気持ちを伝えることで、なぜしかるかといえば「それをするとおまえが困るんだよ」ということです。
吼えれば周りの人に迷惑をかけるし、わき見をして事故に会えば怪我をしたり命にもかかわってきます。階段で止まらなければ階段を落ちてしまいます。
そのような自己が起きないように集中していないといけません。
しかるときはその注意力が散漫になっている時によくしかります。
でもしかるのも最初が肝心。ペアーを組んで間もない時にしっかりしかっておけば、だんだんとしかる回数は少なくなります。
でも中途半端にしかっていては効果がなくいつまでもしかっていなければなりません。
それはかえって犬が可哀想ということになってしまうことがあります。
しかることと怒ることは違うと書きましたが「怒る」というのは人間の感情で示す態度です。犬が大事にしていたものを壊した時に頭に来て怒る。犬がお菓子を食べてしまって怒る。
そこには犬に対する愛情も何もありません。ただ人間が頭にきただけです。これでは犬が人間を信用はしませんね。犬と人間がいい関係でいられるわけがありません。
私も子供の時に親から先生から近所の人からしかられました。
その時は感じなかったが愛情があったのでしょう。なんの恨みも不快感は残っていません。僕のことを思ってしかってくれたんだと、今は感謝しています。

次に褒めることです。
いいことをしたら褒めてあげる。こんな簡単なことですが意外と難しいです。
しかるときと同じで心から伝えないといけません。うわべだけの言葉では犬には伝わりません。
心の中から「うれしいよ!おまえがそれをしてくれるとほんとにうれしい!」
言葉では簡単に書けますがこれを伝えないといけません。「グッド」という言葉と共に頭をさすってあげます。
ちょっと恥ずかしいですがオーバー気味に感情を出したほうがいいですね。しかるときも同じでしょうか?
盲導犬は一歩外に出るといろいろなことをします。段差や階段の前で止まったり、ドアーを見つけたり、椅子を探したりします。
それらのことがうまくいったら「グッド」という言葉と共に褒めてあげます。
だから盲導犬は褒められてばかりいます。
近くのコンビにに行って帰ってくるだけで何十回と褒められます。
犬だってしかられるよりも褒められたいのです。褒められたいから仕事をするのだと思います。
だからこんなに褒められる盲導犬は幸せなのだと思っています。
褒めるのもなれてくるとおろそかになってきます。段差で止まるなんてあたりまえとか、簡単なことだよ。なんていう気持ちでしっかり褒めなくなると、犬もやっぱりやる気がなくなるのだと思います。
いつもやっている簡単なことでもしっかり褒めてあげる。これが大事ですね。
子供がテストで50点を取ると間違えた50点をしかったり、もっと頑張れというけど、50点を正解したことは褒めない。
盲導犬では正解した50点もしっかり褒めないといけないのです。

褒めることとしかることをしっかり伝えていけば犬は人間を信用してしっかりついてきてくれます。信用できる人間に誉められればうれしいし、しかられれば悲しいのです。
いくらしかっても伝わらないわかってもらえない。褒めても喜んでくれない。やり方と犬に対する気持ちを考えてみるといいですね。
これは盲導犬だけでなくすべての犬の躾にいえることだし、子供に対することでもいえると思います。

犬は集団で生活してきた歴史があります。その集団の中にリーダーを作り、リーダーについていきます。リーダーはリーダーの素質と求心力を持っています。そうでないとみんながついてきません。
リーダーの資格をなくした犬はリーダーの地位を追われてしまいます。
現在の人間社会では犬と人間が同じ集団になることになります。人間と犬が1対1のこともあるだろうし、家族の中に犬が入ることもあるでしょう。
人間社会の中では人間がリーダーになることが望まれます。犬がリーダーになってはいけません。
完璧に犬がリーダーになれればいいのでしょうが、それが無理な話でそうしないほうがいいですね。
犬のかってに食べたいものをあげて悪いことをしてもしからず犬がリーダーになったようにしているケースがあります。
問題はたえず犬のやりたいことを全部できるわけではないということが犬を苦しめます。
人間のかってでちやほやされて、都合が悪くなれば家で留守番とか他人に預けたりされたら犬はどう思うでしょうか?
留守番が悪いとか人に預けるのがよくないと言っているのではなく、普段から人間と犬の関係をしっかりしていれば何ら問題はないと思います。
やはり順番として犬は人間の下にいないといけないし犬にとって幸せなことだと思います。それには犬が尊敬しリーダーとして認められるような飼い主でないといけませんね。
「果たして自分はリーダーとして認められているのだろうか?」
犬に笑われないような飼い主であって、いつまでもついてきてくれるような飼い主でいたいと思っています。





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