oregon2000

「2000年も、やっぱりオレゴン!」


目次

1.  初めての個人旅行の巻!
2.  出発前にトラブル続出の巻!
3.  ビジネスクラスは耳の毒の巻!
4.  いつまでたっても、やっぱり、ステイは苦手の巻!
5.  泳ぐのならやっぱり海だねの巻!
6.  町の中で、カヤッキングの巻!
7.  お泊まりはこちらの巻!
8.  BICYCLE!BICYCLE!で、グイーン!の巻!




1。  初めての個人旅行の巻!

 今まで何度か、海外には行かせていただいている。
初めての海外は、グアム。次ぎはオーストラリア。オレゴンへは
4年続けて行っている。
昨年の末には、ロスに行った。
 それら総ての旅行はいわゆるツアー旅行。
ほとんどが旅行会社もしくは、主催者におまかせの旅行。
今回はなんと個人的にオレゴンへ行こうとしている。
しかし、英語が堪能でなく、しかもアウトドアをしようというのである。
無謀なことはできない。
運良く、オレゴンには、旅行をコーディネートしてくれる知り合いがいる。
現地のことは、その知り合いにお願いし、こちらでは飛行機の手配だけを
することにした。
実際には、いっしょに行く友人が購入してくれたので、私は現地でのプランを
作る担当となった。

 今回は個人旅行なので、参加者を少人数にとどめた。
以前からオレゴンに誘っていた「ヒガシ」。ヒガシは7年ぐらい前から、スキーや登山を
している女性の友人です。いわゆる山友達。
いつも、旅行とスケジュールの調整が効かず、涙をのんでいた。
今回は個人旅行なので、念願かなってのオレゴン行きとなった。
彼女の1番の希望は、ラフティング。

 次の参加者は、「レイちゃん」。彼女は昨年の「キャンプインオレゴン」に
参加し、「もっと馬に乗りたい」という思いをかなえるために今回いっしょに
行くことになった、私と同じ視覚障害者です。
彼女は、高校生の時代に、家族の仕事の関係でアメリカで暮らしている。
英語はばっちりで、心強い友人である。

 さてもう1人。レイちゃんの同僚の「マキさん」です。彼女とは今回の旅行で
初めて会います。彼女のことはまったく知らないので、詳しくはこれからの
旅行記に、委ねることにしましょう。

 参加者は以上です。つまり私以外は総て女性。夢のようなメンバーになりました。
おっと!現地でサポートしてくれる柴田さんを紹介します。
ちなみに柴田さんは男性です。
柴田さんは、長年オレゴンに住んでいて、トラベルデザインというか旅行の
サポート、企画などをしています。過去のキャンプインオレゴンの一昨年と去年は、
柴田さんのサポートを受けています。
総勢、5人のグループです。移動は柴田さんの車にて行うことになっています。

 旅行の内容は、今までのキャンプインオレゴンとほとんど同じですが、
少人数のグループなので、スケジュールに余裕と融通を効かせています。
外食は、予約を入れず、その場で考えることにしています。
 主な内容は、「カヤッキング」「ラフティング」「乗馬」です。
これらの行事は、ゆっくりと時間をとっていて、
あわただしくないようにしています。

 それから、一昨年に行った温泉も楽しみです。ここの食事は肉関係は
まったくなし。つまりベジタリアン天国の施設です。
私はベジタリアンではありませんが、たまには肉を取らない方が良いと、お腹を
押さえながら思います。
それから、ここの温泉は混浴です。しかし、水着の着用もオプションとして
認められていて、入りやすくなっています。
 これらの内容で、5泊7日の予定です。

おっと!大事なパートナーを忘れていました。私のパートナー。盲導犬の
ケイルです。彼は今回で、4回目の海外旅行になります。
彼に関しての出来事も楽しみにしていて下さいね。

 5人と1匹の珍道中!どうぞおたのしみに!



2。  出発前にトラブル続出の巻!


  これから、楽しい海外旅行だと言うのに、
飛行機に乗る前に、三つのトラブルに出くわした!
 はらはらどきどき!涙ぼろぼろ!冷や汗たらたら!
まあ、とりあえず聞いて下さい!

トラブルその1!(新幹線が遅れる!)

  出発の当日、滋賀からやってくる
「ヒガシ」と新横浜で待ち合わせをしていた。
ヒガシと落ち合い、横浜から、成田エクスプレスで
成田空港へ行くのが予定。 成田エクスプレスは、横浜を12:30発。
ヒガシが新横浜に新幹線で着くのが、11:20ゴロ。
余裕である。新横浜と横浜は、乗り換えを
考えても、30分みておけば良い。
私は、11:30分頃に新横浜へ着くように家を出ることにしていた。
家から最寄りの駅まで、タクシーで5分。駅から、
新横浜まで20分。11時ちょっと前に家を出れば良いことになる。

 私は支度をしっかり整え、ケイルのトイレも済ませ、
後は、タクシー会社に電話をし、迎えにきてもらうだけだった。
 そこへ、ヒガシの携帯から電話が入った!
「今、三島なんだけれども、事故で遅れる」
これはまずい!成田空港での、時間は余裕があるが、
成田エクスプレスに間に合わなくなる可能性が出てきた。
私は、新横浜でのタイムリミットを、11:55とした。
この時間よりも遅れる時は、ヒガシにそのまま、新幹線に乗って、
東京まで乗ってもらい、うまく行けば東京で合流する。
このようなとっさの手段を考えた!
とりあえず私は新横浜に向かうことにし、なりゆきを見守ることにした。
 頻繁に時間を気にしている私の携帯に、ヒガシから電話が入った。
「動き出したよ!30分ぐらい遅れるそうだよ」
どうにか間に合いそうだ。実際には20分ちょっとの遅れで、
新横浜にヒガシを乗せた新幹線は着いた。
偶然のハプニングとはいえ、どきどきした。
時間に余裕を持たせていたことが、良かった。
それから、お互いに携帯電話を持っていたことも、
よけいな心配をしなくてすんだ要因だろう。
私たちは横浜で駅弁を買い、ゆっくりとホームに入ってきた
、成田エクスプレスに、ゆっくりと乗った。

 新幹線が遅れた理由だって?
トラックが、橋桁にぶつかったようです。


トラブルその2!(鍵がない!)

  私はケイルと海外旅行をするようになってから、
スーツケースは前もって空港に送っておくようにしている。
左手にハーネス。右手にスーツケースでは、ちょっと大変!
前日の昼に取りにきてもらい、当日は身軽なかっこうでゆく。
成田空港に着き、ケイルの検疫のための手続きを済ませ、
待ち合わせ場所に、ヒガシと向かった。
約束の時間は午後3時。チェックインが、
午後3:35からなので、ソファーで待つ。
レイちゃんは何度か会っているが、レイちゃんの友人は初めて会う。
ヒガシはレイちゃんとも、その友人とも初めて会う。
約束の時間になり、レイちゃんがお母さんとやってきた。
お母さんと会うのは初めてだった。
レイちゃんの友人も、近くのソファーに座っていたようだった。
私たちが先に座っていたので、気がつかなかったようだ。
レイちゃんの友人はマキさんと言って、私よりもちょっとお姉さんかな?
ここで、4人が勢揃いし名前だけの簡単な自己紹介。
1週間の旅行なので、話す機会はたくさんある。
「よろしく」と、言葉を交わし、これからのスケジュールを確認した。
チェックインまで時間があるので、その間に、私のスーツケースを取りに
行ったり、お金を、$に交換するなどをした。
悲劇は、スーツケースを取りに行ったときに起きた!
ヒガシに、荷物の引き替え用紙を渡し、荷物を受け取ってもらった。
その時、今までまったく気がつかなかったことが、突如頭の中に現れた!
「スーツケースの鍵を忘れてきた!」
どこにしまったっけ?リュックの中に入れたっけ?
などの疑いはまったくない!
完璧に置いてきたことを、私は自信を持っていえる!
こんなことに自信を持ってもしょうがないが、事実である。
私は、膝から力が抜け、今にも床に倒れそうになった!
今までこんな衝撃を受けたことがない。
これからの、明るいオレゴンに、暗雲が立ちこめ、雷鳴とどろき、
世の中の終わりの風景が目の前にあった。
いや、オレゴンに行けるかどうか、それも怪しく、
みんなを見送る姿も、想像した。
左手にケールのハーネス。右手には、スーツケースを持ってである。

結局、そのままアメリカへ持っていき、アメリカで鍵を壊し、
新しくスーツケースを、買って荷物を入れ替える。
ということで、気持ちが落ちついた。
向こうでのスケジュールに若干の変更ができてしまったが、
みんなに頭を下げることで、勘弁してもらった。

海外旅行は何度かしているが、こんなことは初めてであった。
アメリカに着き昼食を取り、カヤックをやってから、
鞄屋に行った。
鍵はやはり壊さなくてはならず、承知の上で、壊してもらった。
新しいスーツケースは買わず、ベルトを巻いて、旅行を続けた。
必用なものとはいえ、急いで買うのにちょっと抵抗があったからだ。

鍵をかけてある安心感というのは、鍵をかけられないときに、
感じられるのだと、あらためて思う。


トラブルその3!(予約はしっかり!)

  最初にも書きましたが、今回の旅行は、ツアーでなく、個人旅行。
飛行機のチケットの手配、入国出国などの書類の作成。
これらを総て自分たちでやらなければなりません。
書類の作成は、当日、成田もしくは飛行機の中でやれば良い。
飛行機のチケットは、レイちゃんにお願いしてある。
チケットの購入は問題なく、チェックインもすんなりと行くはずだった。
ここで問題が起きてしまった。
ケイルのいることが航空会社に伝わっていなかった。
レイちゃんは、「伝えておくのを忘れてしまった」と、謝っていたが
私も、レイちゃんに伝えておいてと、話していなかった。
私は忘れていたわけではなかった。
当日、チェックインの時にその旨を伝えて、座席を確保して
もらえるのだと、勘違いをしていた。
それは、国内線を利用したときに、座席のリクエストを予約の時に
したのだが、「チェックインの時に、座席を決める」と、聞いたからだ
国内線と、国際線は違うだろうし、航空会社によっても、
処理は違って来るだろう。
航空会社の人たちの、努力で、どうにかケイルが横になれる、
広い場所がとれた。
帰りも、取れたのだが、4人が、2人づつバラバラになってしまった。
それでも、座席を融通してくれたようだ。

私の、ちょっとしたミスから、航空会社の人たち、利用者の皆さん、
いっしょに行くみんなに、迷惑をかけてしまった。

次からは、こんな失敗はしないようにする。
みんなのために、しっかりやろうぜ!


3。  ビジネスクラスは耳の毒の巻!

 ケイルは今までに、海外は3回ほど行っている。
今回で、4回目。飛行機には慣れたものだ。
いや、最初から問題はほとんどなかった。
国内の飛行機も、今年福岡、北海道と旅行をしたときに、使っている。
 そんな彼と私だから、こちらは問題ない。
いつもの事である。
しかし、偶然乗り合わせた乗客や、スチュワーデスさんたちの乗務員には、
日常のよくある風景ではない。
国内でもなかなか盲導犬には出会えない状況で、国際線の飛行機の中で、
盲導犬に出会うなど、めったにないことだろう。
1年間で、海外に出かける盲導犬は、どのくらいいるのだろう?
私の推測では、10組ぐらいではないだろうか?
多くても15組。めったに会えるものではない。
そんな私たちだからみんなから注目される。いや注目されるのはケイルでした。
みんなから聞こえて来る声は、驚きと、「かわいい!」という、歓迎の声!
乗務員さんからも「グッドボーイ」「ビューティフル」などの、
私にでも理解できる言葉をかけてくれる。
ついでに書くとケイルに対する質問は、ほとんど簡単な英語なので助かる。
年齢はいくつか?雄か雌か?とか、触って良いか?などだ。
「盲導犬の仕事中は触ってはいけない」ということは、
大分みんなにわかってもらえてきていると思う。
これに、「英語で難しいことは聞いてはいけない」ということを
徹底してもらいたい。(笑)

 飛行機には、客室にいっしょに乗れる。
足下にダウンさせておくため、足下の広い場所を、
リクエストし、なるたけ他の乗客に迷惑がかからないようにする。
広い場所と言えば、スクリーンがある壁のところが考えられる。
機種によって違いはあると思うが、椅子と椅子の間に通路がある飛行機もある。
しかし、通行のじゃまになることを考えると、やはり
スクリーンの前になるだろう。
今まで乗った飛行機でよくあるのは、ビジネスクラスと、
エコノミークラスの境目の、壁のところ。
ここが私たちの指定席となっている。
ここは、飛行機で言うと、比較的前の方で、
エンジンの音もさほど気にならないところで、足下が広いことと伴って、
快適に乗っていられる。
快適と言えば、今回のケイルはとても快適だった。
長時間、乗り物に乗るときはハーネスをはずしてあげて、ゆったりと
させているのだが、今回はスチュワーデスさんからケイル用の枕をもらい、
大きな顔を枕に乗せ、快適に数時間を過ごしていたようだ。
こんなサービスは、初めての経験です。
「毛布も持ってきましょうか?」というスチュワーデスさんでしたが、
そこまでしてもらうことは、ちょっと遠慮しました。
 ビジネスクラスとの、境目にいつも座っているわけですから、
見える人には、椅子の大きさ、ゆったりとしたつくり、食事の豪華さなどが、
よく見えるようです。
飛行機に搭乗するときに、ビジネスクラスを通って来るのですが、雰囲気も
違うように感じられ、足下のカーペットも心なしかふわふわしているようで、
差を付けられたような気がします。と、言うより、差を付けているのですよね
私たち目の悪い人には、食事の内容は見えませんが、食事中の音が、
こちらとはぜんぜん違います。我々は、「がさがさ」「こつこつ」
「ぺかぺか」など、いかにも安っぽい音。しかし、ビジネスクラスから
聞こえて来る音は、「かちゃかちゃ」「きんこんかん」など、いかにも金属的!
陶器!ガラス!という音!高そうな音!
「ほんとに、耳の毒!」です。
「いつかは、あっちに乗ってやるぞ!」と、心に誓いながら、紙コップに
入っている、ちょっと消毒臭い、コーヒーをすする私でした。



4.  いつまでたっても、やっぱり、1人はさみしいの巻!


 ケイルが、ステイが苦手だと言うことは、多くの人が知っている。
ここで言う「ステイ」とは盲導犬としてのステイである。
指示された場所に、ダウンさせ、静かに待つ。これがステイである。
その時に、吠えるのはもとより、「ひー、ひー」とか「きゅんきゅん」などと、
鼻を鳴らしてもいけない。立ち上がるのもいけない歩き回るなんてとんでもない。
ケイルは、歩き回ることはしないと思うが、よく鼻を鳴らす。
ひどくなると、悲鳴に近いような鳴き方をする。
「それぐらい良いではないか」と、思われるかもしれないが、許される状況と、
許されない状況とがある。犬は、頭が良いのだが、ここでは良くて、ここでは、
ダメといった、状況判断は苦手な方だと思う。
そこで、いつでも、どこででも、ステイができなくてはいけない。
盲導犬は、PETとして飼われている犬と違う点は、電車・バスなどの
交通機関に乗れること。
そして、レストラン・喫茶店などに入れること。また、ホテルなどに、ユーザーと
いっしょに泊まれることなどがある。
特別待遇なのである。しかし、特別にできることがあるために、
マナーや、ルールを守らなければいけない。静かにさせる。汚さない。
など、他の人に、迷惑をかけないように、犬をコントロールしなければならない。
盲導犬の、権利と義務。ということである。
 世の中には、犬好きな人だけではなく、犬が嫌い。恐い。と、
思っている人もいる。
そういう人たちを、おろそかにすることはできない。そこで、ステイが大事に
なってくる。
外で、少しぐらい吠えても、さほど迷惑にはならないと思うし、
許容範囲だと思う。
しかし、ホテルの部屋、レストラン・ロビーなどで、
吠えたりしたら、いけないと思う。
先日、ステイの練習に、卒業した協会に行ったが、普段の練習に、勝る
ものはないと、思いました。

 そんなステイの苦手なケイルは、今年もやってきました。オレゴンへ!
乗馬の時に、ひとりぼっちになり、「ヒーヒー」「クーンクーン」の連発!
さて今年はどうだったかな?
 おっと、今年は、乗馬の前に、思わぬ敵がいました。
なんと、ケイルにとっては初めての体験をする事になりました。まさしく
「晴天の霹靂!」。オレゴンの空は青く、高くどこまででも澄み切っていました。
それは、オレゴンに着いた、その日の午後。オレゴン市内を流れる川で、
カヤックをするときでした。
前もって、そうなることは予想をしていましたが、(それでは晴天の霹靂ではない)
ケイルは、カヤックに乗せられず、カヤックのお店でも、あずかって
もらえないということです。
ケイルは車の中で、お留守番をしなければならなくなりました。普通の犬たちは、
当然のこと。よくあることなのかもしれませんが、ケイルにとっては初めての事。
駐車場は大きく、何階にも分かれている駐車場。屋根があるので、暑くはなく、
その事は安心でしたが、とにかく初めて。
心配で心配で、上の空で、カヤックのパドルを漕いでいました。
「早く帰りたいな」「いつまでこいでいるのかな」などと、芥川龍之介の
「トロッコ」の主人公の気持ちのようになっていました。そして、その主人公が、
早く帰りたいために、トロッコをおもいっきり押すのですが、私も、パドルを
思いっきり漕いだりしてみました。それで、早く帰れるわけではないのに。
 心ここにあらずの状態で、カヤックが終わり、駐車場へ帰る。
急いで帰りたかったが、みんなといっしょ。はやる気もちを押さえつつ、駐車場へ。
 ケイルは、なんと運転席に乗っていました。車を運転して、私に会いに
行きたかったのかな?なんて、親ばかな事を思いながら、ケイルと対面!
飛び上がりながら、喜んだのは当然だが、私の方は、安心して
しゃがみこみたくなりました。
こんな事では、みんなに笑われるかもしれませんが、あまりにもいつもいっしょに
いるから、私が弱くなっているのですね。もっと強くならなければ、
いけないのでしょうか?
 その待っていたときに、ケイルが鳴いていたかどうかはわかりませんが、多分
鳴いていたのでしょう。しかし、私が近くにいないから、諦めておとなしくして
いたのかもしれません。
 乗馬の時も、鳴いていましたが、私の姿が見えなくなると、おとなしく
していたと、乗馬の関係者はおっしゃっていました。
たしかに、ホテルの部屋にケイルをステイさせ、お風呂や、トイレに行くときは、
静かに待っています。
乗馬の時によく鳴くのは、不安な気持ちもありますが、馬に対しての
ジェラシーもあるのではないかと、親ばかな私は思っています。


5.  泳ぐのならやっぱり海だねの巻!

 盲導犬のケイルは、ラブラドールレトリバーです。
この犬種は、カナダのラブラドール地方が発祥で、漁師に、
飼われていたようです。
そこでは、捕獲した魚を船から降ろしたり、運んでいるうちに
落ちてしまった魚を、拾ったり、運んでいたようです。
となると、必然的に水に飛び込んだり、泳いだりします。
泳ぎが得意だから、そのような使われ方をしたのか、そのようなことを
していたので、泳ぎが得意になったのか、私にはわかりません。
しかし、泳ぎが得意な事は間違いありません。
そんな水泳の得意な、泳ぎな好きな犬を、イギリスで狩猟に使うようになりました。
イギリスだからと言って、狐狩りではありません。あちらはダックスフントです。
水鳥の、狩りに使われたようです。
泳ぐのが得意と書きましたが、ラブの中には泳げないラブもいるようです。
泳げるが、好きでない犬もいると思います。
 さて、今回はラブラドールの歴史、盲導犬の歴史を話したいわけではありません。
ラブラドールは水が好きで、泳ぐのが得意だということを言いたかったのです。
ケイルも、泳ぎます。泳げます。ケイルのホームページの、写真館を、
見ていただいてもわかると思います。私が海で泳いでいると、自ら海に入り、
私のところへきたのです。泳げなかったり好きでなかったら、
そんなことしないと思います。
ケイルは、泳ぐのが好きだと。水が好きだと思っていました。
それは、ケイルがわが家にきて、1カ月して、カヌーに乗せたときも、水に
飛び込もうとして、それを押さえるのに大変な思いをしました。
やはり、噂どうりラブは泳ぐのが好きだと、思いました。
ケイルと出会い、4ヶ月して、オレゴンに行きました。
オレゴンで初めてのラフティング。ケイルはやはり水に入ろうとして、
ボートの縁に前足をかけます。オレゴンでは、ケイルは泳ぎました。
私が水に飛び込むと、ケイルもついて飛び込みました。
去年のラフティングは、私の体調が悪く私は水に入りませんでしたが、ケイルは
飛び込もうとします。でも飛び込んでも良かったのにケイルは水に入りません。
私が入らないから、ケイルも入らないのだなと、思いました。
しかし、心の片隅に、もしかして泳ぐの好きではないのでは?という疑問も
少しありました。
それは、以前みんなで川遊びに行ったときに、ケイルは水に
入ろうとしなかったことがあったからです。
そんな事もあり、もしかしてという、疑いの気もちもでてきていました。
 さて、やっと今年のオレゴンです。
ケイルにとって3度目のラフティングです。いつものように、
ライフジャケットを着て、いざボートへ。
ケイルは何のためらいもなく、喜んでボートに飛び乗ります。
ボートが川の中程に行くと、ケイルはいつもどうり前足を縁にかけます。
しっぽを降っています。リードを短くし、飛び込まないようにします。
いくつかの急流のポイントを過ぎ、川の流れの緩やかな場所にきます。ケイルは
やはり、ボートの縁に足を、いや手を、まあどちらでも良いんですが、
決まりの形です。ここなら飛び込んでもだいじょうぶなので、リードは緩やかにし、
リードの端をしっかり握っています。
飛び込んでも良いのにケイルは飛び込みません。でも、行きたいそぶりを示します。
「GO」とか「行け」などと言っても、ケイルは行きません。
でも行きたいそぶりは示すのです。私がボートの上にいるから、
行かないのかと思っていました。
 しかし、今まで考えていなかった事を、ボートの持ち主である、ドンさんが
言いました。それは、
「陸に上がりたいんだよ!」あっ!そうか!
泳ぎたいのでなく、陸に上がりたいのか!
となると、ケイルは泳ぐのが好きではないのかと、心の片隅に思っていたことが、
片隅から、ど真ん中へ移ってきました。
ドンさんの家で飼われている犬も、おなじようなしぐさをするようです。
 どうやらケイルは、泳ぐのがあまり好きではないようです。
となると、海での初泳ぎは何だったのでしょうか?
それ以来、海では泳いでいません。今年、チャンスがあれば海で泳ぎたいと
思っています。
その時、ケイルが泳いだら、川ではいやで、海が好きと言うことに
なるのでしょうか?


6.  町の中で、カヤッキングの巻!

 今まで、数回オレゴンにきているが、初めてやることがある。
カヤックであるが、国内ではやったことがあるので、私としては2度目である。
2年前に、ケイルとの初めての外出が、長野へのキャンプ。
その時、カヤックに乗った。
その時は、ケイルもいっしょに乗ったのだが、今回はいっしょに乗れなかった。
 オレゴンの市内を流れる川でカヤックに乗る。
自然の中ではないのが、ちょっと残念だったが、そこはポートランド。
暑い日差しと、川面を渡る気持ちの良い風が、、
そこが市内であることを忘れる。時々行き交うプレジャーボート。
頭上を過ぎる幹線道路が、現実の世界に引き戻す。
それ以外は、カヤックを軽く叩く水の音。パドルが水面を切る音。
そして、仲間の声。水鳥の声も聞こえる。
 オレゴンにいた5日間は、とても良い天気が続いた。
6月としては、観測史上、2位の暑さだそうだ。上半身、裸でいた私は、顔と
言わず、肩と言わず、体中、日焼けをした。ライフジャケットを着ていたため、
その痕がついてしまったのが少し気になるが、程良い疲れと、ほてった両肩が、
心地よい。
 カヤックには、ヒガシと乗った。最初、カヤックの調子が悪く、思うように、
進まなかったが、調整後、快調に走った。
他のメンバーは、シバタさんと、マキさん。レイちゃんとカヤックの、
スタッフという組み合わせ。
みんな楽しそうにパドルを漕いでいた。
乾燥しているせいだろう。暑い割には、汗をかかない。
そのかわり、咽が乾く。ミネラルウォーターを飲みながらの、水上散歩。
水に手を入れると、冷たい。パドルを伝わって足にかかる水滴。
パドルが水に当たったときに飛び散る、水のひとつひとつが、とても気持ちいい。
濡れた体も、乾燥した風が、すぐに乾かしてくれる。
 1時間少しのカヤッキングを楽しんだ。
川岸は芝生が広く植えられ、催し物の支度をしている。
週末から行われる、コンサートの支度のようだ。独立記念日まで続くようだが、
オレゴン最後の夜に、ここへ来ることになるとは、思っていなかった。
 駐車場で待っているケイルの事が気になりながらのカヤックだったが、
オレゴンでの初めてのカヤックを、十分楽しめました。


7.  お泊まりはこちらですの巻!

 毎年オレゴンにやってきているのはアウトドアが目的で、買い物をしようとか、
おいしい物を食べようとかは、2の次ぎ3の次ぎです。もちろんおいしい物を
食べたいという気持ちはあります。
しかし、主な目的はあくまで、乗馬であり、ラフティングなのであります。
1流のホテルに泊まって、豪華なディナー、大きなべっと、広いバスルームも
考えていません。あくまでもアウトドアなのです。

 しかし、アウトドアといっても、1週間近く、テント生活をするわけではなく、
バンガローやキャビン、B&B形式の宿泊施設に泊まったりします。
B&B形式というのはベッドと、朝食の意味である、ブレックファーストの、
頭文字をとって、B&Bです。決して部屋に、もみじ饅頭がおいてあるわけでも
オーナーが、島田洋七・洋八だという事でもありません。
 まずは初日のB&Bです。

 ここはエッジフィールドという場所にあります。
施設の名前はトラフト ペール と、言います。
1911年に建てられた古い宿泊施設。25エーカーの敷地にワイナリー、レストラン、
パブ(地ビール)、劇場(映画)、ガラス細工工房などがある。
パブはちょうど休みでしたが、地下にあるワイナリーに行きました。
そこでテイスティングができます。
安い値段でたくさんの種類のワインを楽しみました。
普段ほとんどお酒を飲まない私ですが、口当たりの良いおいしいワインと、
少しづつでも、たくさんの種類を飲めると言うことで、ついつい、
飲んでしまいました。
レストランは、ブラックラビットという名前で、気さくな雰囲気と、
ノースとウエスト料理のおいしい食事でついつい食べ過ぎてしまいました。
メニューに、鮫があったのには驚きました。
もちろん、おいしくいただきました。
やはり鰐ににていて、一般的には鳥肉に近いです。
ブラックラビットという名前がついているのは、施設の回りに野生の兎が
いるようです。同行の柴田さんが、翌朝見かけたようです。
部屋はツインルームですが、とても広く、キングサイズのベッドが3台入っても
余裕のひろさです。
バスルームは部屋には着いてなく、共同のトイレと、シャワールームがあります。
アメリカのシャワーでよくあるのが、お湯を出したり止めたりするのと、
お湯の温度を調整するのがひとつのコックでまかなう物がよくあります。
最初、なれないとやりにくかったり、わからなかったりします。
そして、シャワーの蛇口が壁に固定されているのも使いにくいですね。
お風呂とかシャワーとかに対する考え方が、日本人とは違うことを感じました。

 次ぎに泊まったのは、シルバーフォールズ州立公園の中の宿泊施設です。
コンフレスセンターと言いますが、大小さまざまなキャビンがあります。
前回泊まったときは、ツインの部屋が8室ぐらい大きなキャビンでしたが、今回は
3人用を2塔借りました。
部屋にはトイレがついていて、シャワーは別棟になります。
この公園の中に、乗馬をするスペースがあり、ここに2泊しました。
食事はオフィスがある建物にそのつど行きます。
公園の中は手つかずの森や、そのなのとうり滝もあります。
滝はひとつではなく、たくさんあるようです。
夜、ひとつの部屋に集まり、ささやかな酒盛り。エッジフィールドで購入した
ワインを開けました。

 次ぎはアメリカの温泉、ブライトンブッシュ温泉です。
その昔、先住アメリカ人が聖地として、傷を癒したり儀式を行ったところ。
40年代の洪水で一時荒れ果てたが、現在のコミュニティの土台に
なったグループが修復に努め、70年代後半にセミナーやワークショップを
中心としたコンフレンスセンターとしてオープンされている。
 温泉は岩風呂が2カ所。樽のような形をした、温度別のお風呂が1カ所。
そこは水風呂から、低・中・高の4つの湯船がある。
それからスチームサウナ。
また・男女別に別れたシャワー室もあります。
基本的には混浴だが、水着の着用もオプションとして認められている。
食事は、ベジタリアンのため、肉類はいっさい無し。アルコールも無しです。
林の中にバンガローが点在し、食事を食べる食堂も少し離れていて、移動はちょっと
時間がかかります。しかし、お風呂にゆっくりとつかり、自然の中で
ゆっくりとするのなら、最高のところです。時間をうまく使えない人は、
物足りなくなるかもしれません。
お風呂にゆっくりとつかり、食事はベジタリアン。3日もいれば、体中から悪い物が
出て、健康になりそう。
私は2日で、何となくすっきりとします。気持ちとして1週間ぐらい
いたくなります。

 最後に泊まったのが、ポートランド市内にある、オレゴン州立大学の宿泊施設。
大学の宿舎とはいえ、部屋の設備はホテルその物。今回の旅行では
初めてのバストイレ付き。
テレビもついてます。
部屋の大きさは日本の1版的なホテルよりも大きく、しっかりと作られて
いるようでした。
宿泊料金は、とても格安です。
ルームサービスや、食事の事を考えなければ、十分の施設です。

 今回の旅行で泊まったところは以上です。
アウトドアを目的としていましたが、スケジュール、保安の点でテントは
ありませんでした。来年は、バックパッキングで、テントに泊まり、もっと
ワイルドにしたいとみんなで話しています。


8.  BICYCLE!BICYCLE!で、グイーン!の巻!


 1度覚えた、水泳や、スキーなどは、 何年かたっても、忘れないでいることがある。
体が覚えているのだろう。

 そのような中に、自転車もある。
最初は、何度も転びながら、練習し、補助輪無しで乗れたときは、
世界が変わった。2次元の世界から、3次元の世界へ!
ライト兄弟が、ライトフライヤーで空を飛んだとき。
クストーが、ボンベを背負って、海に潜ったとき。
ガガーリンが宇宙から地球をみたとき。
それらの感動に匹敵する感動がある。

 私は20歳で目を悪くした。
それまでは、自転車はもとより、オートバイにも乗っていた。
目が悪くなるとできなくなることがいくつかある。
その中に、「自転車に乗る」という事がある。
しかし、目が悪くてもスキーができると知ったときと同じ頃に、 「タンデム自転車」で、乗れる事を知った。
つまり自転車の2人乗り。
しかし、町中で見かけるように、荷台に腰かけるのではなく、
後ろの人にも、ハンドル、サドル、ペダルが、ついている自転車である。
この自転車の前に、目の見える人が乗り、後ろに目の悪い人が乗る。
後ろの人は、ハンドルの操作はできないが、前の人と、呼吸を合わせて、
ペダルをこがなければならない。

何年かぶりで乗った自転車。しかもタンデム。なかなかうまく乗れない。
あっちにふらふら、フラメンコ。こっちによろよろ、ヨーロピアン。
初めて自転車に乗ったときに体験した事の、再現である。
 しかし、何度かやっているうちに、コツがつかめ、春風も心地よく、快適に走る。
ちなみに、その時は春ではなかった。しかし春のような心地よさ。
額の汗も、なんと爽快な事だろう。
 タンデムサイクルといっても、自転車の2人乗りに、変わりはない。
道路で乗ることはできない。公園や特定の施設。
または、警察に許可を得て、道路で乗る。

 しかし、日本で唯一、町中で乗れるところがある。
長野県の軽井沢である。
私はここで何度か、走っている。
町中の貸し自転車屋さんでは、タンデムの自転車を用意してくれている。
安全性が問題にはなるが、このようなところが、他にもできたら良いと思う。

 オレゴンでも自転車に乗れるチャンスがやってきた。
シルバーフォールズ州立公園の、バンガローに泊まったときである。
食堂や事務所がある建物の横に、自由に乗っていい自転車が置いてあった。
食事の後の腹ごらしに、乗ることにした。
しかし、自転車はタンデムでなく、一人乗り。ここであきらめる私ではない。
スキーの時と同じように、声をかけてもらいながら乗った。
恐る恐る乗ったが、意外とすんなり乗れた。
快調、快調!
しかし、問題があった。
それは、ブレーキがついていない。いや正しくは、ハンドルについていないのだ。
その自転車は、ペダルを逆回転させて、ブレーキをかけるタイプ。
以前、このような自転車に乗ったことはあったが、慣れなくて、 困った経験がある。
こんな状況で、うまく乗れるはずがない。
止めようと思うとどうしても足が出る。
足では簡単には止まらず、何度かクラッシュ!!
自転車に乗って良い場所が、道路だけ。広い芝生の中には入れない。
四苦八苦しながら、どうにか様になってきた。

 平衡感覚は、視覚と、耳の中にある器官が司る。
その内の視覚がなくても、自転車には乗れるものである。

 とにもかくにも、一人で自転車に乗った。
17年ぶりの経験である。
自転車に乗って幸せを感じる。
私はなんて恵まれているのだろう。
自転車を降りた後、心地よい、興奮を感じていた。





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