南島通信(グアム旅行記2001)
「南島通信」



目次


1. 始まりは緩やかに

2. 思いは南の島へ!

3. 通行手形

4. 前門の虎、後門の狼

5. 出発前夜

6. ブーブーゲート!!

7. ハ ファ デー

8. 作戦大成功!!

9. オンワード ビーチ リゾート ホテ


10. 食べる・食べる!

11. 病院にて

12. 影丸登場!

13. 空に海にLET‘S GO!!

14. 本物だよ!本物!

15. ウォーターパーク

16. 学校訪問

17. ダーティーハリーよろしく

18. 夜空の彼方まで,ハッピー パーティー!

19. グアム最後の日






1. 始まりは緩やかに


 事の始まりはグアムに住んでいるととねさんからのお願いだった。
「盲導犬についてこどもたちから質問があったら答えてあげて」
内容はそのようなものだった。
 ととねさんは現在日本人が通っている小学校でPTAの役員をしている。
以前は教壇に立たれていたこともあるようだ。
ととねさんの家には私の相棒であるケイルと同じラブラドールを飼っている。
私とととねさんとは犬をこよなく愛するものどうしでインターネットでつながった。
ケイルのホームページが仲介人というところだろうか。
 ととねさんには直接的・間接的にケイルの情報と、私の情報が伝わっている。
そんな情報の中に、私がときどき小学校などに、盲導犬の話をすることが伝わっていた。
そこで「質問があったら教えてあげて」という話になったのだ。
私はもちろん快く承諾した。
学校に話をしにいくと、子供たちの素朴な質問とか、純粋な心に触れられる。
そんなときは楽しく、温かい気持ちになれる。
こんな私でも少しぐらいは役に立てるかな?と思う。
いや、こちらが幸せな気持ちになれるのだから、こちらからお願いをしたい。
という気持ちで、学校訪問は、私の楽しみのひとつとなっている。
グアムの子供たちとの質問のやり取りは、MAILで行うことになるだろう。
「グアムの子供たちはどんなことを思い、考えているのだろう?」
頭の中に好奇心が広がってきた。
 しかし流れというのはわからないもので、MAILだけでのやりとりには終わらなかった。
その流れは緩やかだったが思わぬ方向に流れ出した。
大河も1滴の水から始まる。
と、誰かがいったかどうかは知らないが、今ではごーごーと音を立てて流れる川になっている。。



2. 思いは南の島へ!


 私の性格は良く言えば行動的。
悪く言えば無鉄砲。歩き出してからどこに行こうか考えることもしばしば。
しかしその反面、計画的に物事を運ばないと気が済まないこともある。
自分ではうまく使い分けていると思う。
普段の散歩や、休日に東京をぶらぶらするときは思うまま気が向いたままに動く。
突発的に上野の動物園に行ったり、皇居を1週したり。
私鉄の1日乗車券を買って、乗りつぶそうと1日電車に乗っていたこともある。
しかし、旅行となると変わってくる。実に計画的なのだ。
家をでる時間から総ての電車やバスの時間を調べ、旅行の計画書を作る。
これは子供の時からの趣味で、愛読書が時刻表でした。
と胸を張っていえるほど細かく調べ、旅行に向かう。
 目が悪くなってからもその悪癖は抜けず、
いやますます力を増してきたのではないだろうか?

そんな私に、南野島から便りが届くようになった。
内容は盲導犬の事や、私が遭遇した出来事についての話し。
普通だったらそれで終わってしまう。いや、南野島からの便りには誘惑の香りが満ちあふれている。
差出人にはそんな気持ちがなくても、私がかってに思いを巡らせてしまうのだ。
そんなMAIL野中に、「学校の子供たちに盲導犬の疑問について答えて」
なんて言葉が入っていたら、「MAILだけではすまないよ!」という事で
「私が直接グアムに行って、話しをしたい」と私にとって当然の展開になっていった。
 私の申し出にグアムのととねさんは
「それは良いことだけど検疫が厳しいグアムにはケイルは入れないから、必然的にケイルが留守番になってしまうのが気がかり」
と言ってくれた。
しかしグアムの盲導犬に対しての検疫が緩やかになっていたことを私は聞いていた。
その事をととねさんに伝えると、グアムの当局に確認のために走った!
ほんとに走ったかどうかはわからないが、それぐらいのいきごみは伝わった。
本当に私とケイルがグアムに行くかどうかは別として、情報を集めてみようと言うことでグアムと日本で作戦が動き出した。
とりあえず情報だけでもという事だが、それだけで終わらないと私は感じていた。
「グアムへ行こう!」この思いに、体の中は満ちあふれた。。
想像だがととねさんも、情報を集めるだけでは終わらないと感じていたのではないだろうか?
「やまちんと、ケイルにきてもらうぞ!」と思っていただろう。
それが証拠に、情報を集める早さは、ただ確認するだけではない、スピードだった。
正しい情報が集まりだした。
検疫に必要な書類が整い、ケイルの健康に問題がなければ、グアムに行けることがわかった。
もうここまできたら進む道は決まっていた。
必要な書類を集めて、学校とスケジュールの調整とあわただしく動き出した。
 最初は何の事もない一言から、あれよあれよと話しが広がり
私とケイルは秋にグアムに行くことに決まった。
話しを聞くと、グアムに盲導犬が入るのが初めてのようだ。
それは現地の関係者が言っている事なので確かかと思う。
初めてという事はいろいろとたいへんである。
向こうが初めてであれば、こちらも初めて。
初めて同士なので何をどうして良いか良くわかっていない。
そんなあやふやな受け入れではあるが、私とケイルがグアムに行かなければならない。
という命題のために、ととねさんと私は太平洋の荒波にこぎだしたのだ。
2人だけの出航だったが、心強い仲間がすぐに加わった。
ととねさんの友人である「オンワードビーチリゾートホテル」のF氏だ。
他にもこの航海を支えてくれた人が何人かいる。
みんなの協力で目的に向かって走り始めた。
思いはひとつ。「グアムへ!」


3. 通行手形


 その昔。日本が江戸時代と言われた頃、街道の要所要所に関所というのがあった。
徳川幕府を守るために、人々の国内での移動に制限をかけたり、
各大名の奥方を江戸に住まわせ人じちにし、
江戸からでないようにチェックする。また武器が江戸に集まらないようにチェックする。
こんな役割を関所は担っていた。
特に東海道の箱根が有名で厳しかったようだ。
「入り鉄砲に、出女」という言葉は有名な言葉だ。
 幕府の存続を守るための関所ではあるが、結局は日本の
安泰のために必用なものだった。
関所のおかげかどうかはわからないが、江戸幕府は15代、266年の長期に
渡った事は事実である。
 さて現代に話しを戻すと、現代の関所は空港であり、港であると思う。
海外へ行くのも、日本に入るのも、ここを通らないといけない。
関所と同じで犯罪者が国内に入ってこないか海外に逃亡しないか。
武器を持ち込まないか。薬物を持ち込まないか。関所とほとんど
同じような業務をしている。
しかし昔の関所と現代の関所とでは違うこともある。
その大きな業務のひとつが、病原菌を持ち込まないようにすると言うことだと思う。
海外から日本に到着すると、海外で病気になったり、調子の悪い人は相談するように
アナウンスが流れている。
輸入した農作物も検査を受けて害虫などを持ち込まないようにもしている。
 狂犬病も同じである。
現在日本には狂犬病がないと言われている。
日本に狂犬病が持ち込まれてはたいへんである。
犬を死なせてしまうのはもちろん、人間の命も危ない。
政府が神経質になるのもわかるし、しっかりとチェックはしてもらいたい。
大切な犬を守るため、人間を守るために必用だろう。
現在、検疫が厳しいところとして英国、オーストラリア・ニュージーランド・
ハワイ・グアムなどがある。もちろん日本も厳しい国である。
それらの所で共通していえることは狂犬病を持っている犬などの動物がいないと
言うことだと思う。
長年の努力で狂犬病を撲滅したため、もう入れたくないということだろう。
当然といえば当然な事だと思う。
 日本も検疫があるために、海外に出た盲導犬も帰国の時には
検疫を受けないといけない。
ただ盲導犬という事で、自宅検疫が認められている。
決して検疫をまのがれているわけではない。
状況によって2週間から4週間の検疫がある。
日本から検疫のない国に行くときは、滞在先では検疫をしなくても良いが、
帰ってきてから検疫をする。「行きはよいよい。帰りは恐い」
 さて今回のグアム旅行だが、先にも書いたように検疫が必用である。
行きも帰りも恐いということになってしまう。
しかし、必用な書類を用意し、健康に問題がなければ決して恐くはないと思う。
たしかに手続きは煩雑だが、大事な相棒と海外に行けることを思えば
検疫なんて何のその。めざすはパートナーとの海外旅行!
と、今までは難なく乗り切ってきた。
それは日本での検疫だから。
言葉は通じるし、なんといっても自宅で検疫ができるから、書類が整えれば
何の問題はなく、おき楽にすんでしまっていた。
しかし今度はグアム。相手は英語で会話をしているという所。
日本語しか話せない私にとって問題である。
日本の検疫所に相談しても、海外の正しい情報は入っていない。
アメリカの大使館に問い合わせても
現地の関係部署に問い合わせてということ。
以前ハワイに行きたいと思い、色々調査したが、その煩雑さ、英語の力がないと
たちうちできないことを知り、あえなく撃沈した苦い経験がある。
しかし今回は違う。現地にととねさんという強い見方がいる。
現地に見方がいるか、そうとうの英語の力がないと、かなり難しいと思う。
事実ととねさんがほとんど手続きをしてくれた。私はこちらで用意できる書類を集め
グアムに郵送し、FAXした。
書類も集めて当局に渡せば良いだけではない。
日本語で書かれているものを英訳して、その英訳が正しいことを
証明して、やっと完成である。
 ここで必用な書類を列記してみる。
検疫の申請書。狂犬病予防接種の証明書。狂犬病でない証明書。
狂犬病が発生していない所から来ているという証明書。
8種混合ワクチンの接種証明書。到着の10日以内の健康診断書。
障害者手帳。盲導犬が、盲導犬としての訓練を受けたという証明書。
見落としもあるかもしれないが、これらの書類を用意した。
それらを英訳しなければいけないのだ。ととねさんには本当に感謝する。
 これらの書類が整い、問題がなければ入島が許される。
ケイルはとうにかこの関門を許されるようだ。
いや書類審査はパス。当日の面接を受けるだけになっている。
当日をわくわくドキドキで迎える事だろう。
面接で落ちたら!なんて事は考えず、楽しく島で歩き回ることを
思い浮かべよう。
島に入るときには、通行手形を握りしめて。


4. 前門の虎!後門の狼!


 今回のグアム行きの主な目的は、日本人学校で、盲導犬について話しをすること。
確かにそうなのであるが、せっかくグアムまで行くのであるから、
遊んでこないわけには行かない。
グアムである。南の島である。当然であろう!
海が待っているのだ。期待にはこたえよう!自分の論理を振りかざし、いざグアムへ!
検疫の問題がクリアーすれば、後は何の問題はない。
遊んで、食べて、遊んで、食べるだけだ。
 遊ぶとなると現地にととねさんがいるとはいえ、ちょっと1人旅はさみしい。
1人で旅も良いけれど、グアムという土地が、それを許さない。
「友達を誘っておいでよ!」とグアムが呼んでいる。
というわけで、友人を誘った。
いきなり大勢はたいへんなので、今回は私を含めて4人が集まった。
晴眼者が1人。弱視が1人。全盲が2人。
男2人。女2人。というグループになった。
楽しい旅行になることは目に見えてわかっていた。
友人とは電話で、MAILで「グアムで何をしようか?どこに行こうか?」
旅行前の楽しいひとときが続く。旅行の1カ月前に
みんなで合って、最終的な打ち合わせをしよう。
グアムで何をしたいか考えてこよう。
なんて煮詰まって来ていた。
旅行会社に申し込みもした。
後は入金すれば、当日までのカウントダウンは始まる。
なんら問題はなかった。
ケイルの検疫の問題もどうにか目鼻が付いてきた。
そんな安穏とした私たちに、思わぬ嵐が吹き荒れた。
それは4人で集まって作戦会議をしようと決めた日の前日。
9月11日に突如としてやってきた。
アメリカのニューヨークでおこった、「同時多発テロ」だった。
遠く離れた異国の土地での事件だが、私たちに大きな波となっておそってきた。
その余波は今でも続いている。
それほど大きな波だった。巻き込まれた私たちは、旅行を中止しなければならないかという
実に大きな問題を引き起こした。
前代未聞のテロにより、数千人の命が奪われた。この悲しい出来事による、
暗い空気は今も満ちている。テロの恐怖もあるが、このような時に
遊んでいて良いのだろうか当然といえば当然の気持ちである。
グアムに行きたい。でも心から遊べない。テロが恐い。
色々な思いが交錯する。
私が友人に声をかけて誘ったわけである。友人に何かあってはいけない。
友人と相談し、他の人の意見を聞き、結論を出した。
その結論は白紙に戻す。つまり旅行は中止という事になった。
実に腹立たしい。あんな時もこんな時も、あってはいけないのだが
なにもこれからというときにと、テロの犯人と、アメリカを恨んでみた。
しかし、私の心の中には、1人でも行きたいどうにか落ちついてくれないか!
事件が早く解決してくれれば行くぞ!
と、前向きと言えるかどうかはわからないが、
密かなのぞみを持っていた。
旅行の申し込みはすでに終わっている。
早くキャンセルをしないと、キャンセル料がかかってしまう。
私の分は良いとして、友人の分をキャンセルした。
私はぎりぎりまで粘ってみるつもりでいた。
遊ぶこと、楽しいことにはとても執着を持っているのだ。しつこいのだ。
 朝から深夜まで、ニュースに釘付け。どのような展開になるか真剣に見守った。
なんと言っても、グアム旅行がかかっているのだから。
「行きたい」「こんな時に行っても良いのか」
自問自答する時間が続いた。
その迷っている心を、「グアムに行くぞ!」と決めてくれたのは
ととねさんからのMAILだった。
「観光が主な産業であるグアムは、旅行客が減って、活気がありません。
そんな時にやまちんさんとケイルが来てくれると言う事は、とても明るい話題なのです。
子供たちも待っています。」
私はそのような言葉を聞いたら、もう迷ってはいなかった。これから
どうなるかはわからないが、1人でもグアムへ行くぞ!と思いは固まった。
友人には、今回は1人で行って、現地の調査をしてくるよ!と伝え、
落ちついたらみんなで行こうと約束をした。
みんなと行ける時は、もっともっと楽しくなれそうだ。
その時のためにも、グアムの良いところをたくさんたくさん仕入れてこなければ。
 さあいよいよグアムだ!おもいきって遊ぶぞ!


5. 出発前夜


グアムに出発するのは2001年10月17日。
いつも海外に行くときは、自宅から電車で行くことが多い。
知人の車で行くこともあった。
出発時間はほとんど夕方。
家を昼頃に出れば楽々間に合う。
しかし今回は10:00の出発。
集合時間は朝の8:00!!
何もなければ早朝に家を出れば間に合うのだが、集合の前に
ケイルの検疫の手続きを済ませないといけない。
検疫所に7:30にいかなくてはいけないようだ。
そうなるとかなりきつい。
家を5:00に出てどうにか間に合うか。
起きるのは4:00だろうか。
普段、私が寝る時間だ。
そこで、前の日に成田のホテルに泊まることにした。
この文は、成田のホテルで書いている。
前泊したのは始めてだ。
泊まるだけなので、普段とおりに仕事をしてきた。
明日は6:00に起きる。
自宅から出ることを考えると
2時間余裕ができる。
さて、いよいよ明日はグアムに出発。
グアムでの検疫が楽しみだ。
そして現地のマスコミも出迎えているみたいだ。
これも楽しみ。


6. ブーブーゲート!!


成田空港の集合は朝の8:00.
集合の前に、検疫所に行き、出国の手続きを済ませないといけない。
もちろんケイルの手続きだ。
ちなみにケイルは出国というよりも、輸出が正しいことになる。
帰ってくるときは輸入になる。
私にとってもケイルにとっても、何度かの経験なので、
難なくクリアー。
成田の検疫所はグアムへの入国が心配なようだ。
心配なのなら助けてくれれば良いのに、手続きは自分でやってくれとは、
ちょっと納得いかないが、しょうがないところだろうか。
グアムで必要な書類をみせてくれといっても、書類はグアム。
見せたくても見せられないのだ。
手続きをすませ、集合場所へ行く。
30分ほど早かったが、カウンターに行き、手続きをする。
今回の旅行は、近ツーにお願いした。
近ツーの職員が、手伝ってくれ、ゲートまで案内してくれた。
ゲートからは日本航空の職員が案内してくれる。
一人での旅行でもなんの心配もない。
出発のサテライト迄行くのにシャトルに乗る。
これは横に動くエレベーターみたいなものだろうか?
そのシャトルの中で、自分たちが乗る飛行機のパイロットに合った。
この人の操縦する飛行機に乗るのかと思うと、
少しは安心する。
飛行機の中に案内される。
やはりテロの性で、空席が目立つ。
私は窓側の席。
3つの席が並んでいるが、横は空けてくれた。
あけてくれたということもあるのだが、もともと空いていたようなものだろう。
グアムまでは3時間少し。
やはりアメリカ本土に行くことを比べるととても近い。
やはり近いということ、時差が1時間と少ないことは、
とても体にとって負担が少なくなると思う。
これは人間もそうなのだから、ケイルもそうだろう。
検疫の問題がなければ、盲導犬のユーザーが海外に行くのに、とても
よいところだと思う。
グアムにつく間、常務委員はとても親切にしてくれた。
考えてみると、海外に一人で行くのは始めてだったのだ。
しかし所要時間と、JALを使ったということで、感覚的には国内の
フライトと同じような感じだ。沖縄に行くような感じかな?
などと沖縄に行ったことのない私が思うのだ。
飛行機の中で、ビンゴゲームが行われた。
私は運良くTシャツがあたった。
予定の時間より5分ほど送れてグアムに着いた。
グアムといえば、日本テレビで行われていた、「アメリカ横断ウルトラ
クイズ]を思い出される。
飛行機の中で行われたクイズの成績が悪いと、タラップの下に作られた
ゲートで「ブーブー]と鳴って、グアムの地に降りられないというものだった。
さて、私とケイルにとっての「ブーブーゲート]は、検疫である。
無事通過できるか、それとも「ブーブー]鳴って
日本に強制送還されるか。
どきどきしながら、飛行機のドア−が開くのを待つ。


7. ハ ファ デー



飛行機を降りると、JALのグアムの支店長さんたちが迎えてくれた。
飛行機を出ると、むわーっとした空気が満ちている。
気温は30度ぐらいだそうだ。
海外に行くときに、海外にきたと実感する最初は
この温度であり、湿度であり、においだろう。
空港職員の手引きで入国審査を無事に終える。
次はいよいよケイルの検疫。
海外がどうだとか、一人は心細いとか、テロが怖いとかは、たいした
問題ではない。とにかく大きな問題はケイルの検疫。
これまでの準備のほとんどは、ケイルの検疫に
費やしたと言っても過言ではない。
事務書に入り、椅子に腰を下ろす。
ケイルを左の下にダウンさせる。
必要な書類はすでに係りに渡っている。
係りの人が書類に目を通し、チェックをしているようだ。
こちらも提出した書類のオリジナルを持ってくるように言われていた。
指示があればいつでも出せるようにしている。
係りの人から書類にサインを求められ、サインをする。
拍子抜けだがこれで手続きは終わりのようだ。
係りの人に御礼をして、事務書を出る。
荷物を受け取り、外に出る。
「ととねさんが迎えに来ているよ]と職員の人が教えてくれた。
その言葉を聞いただけで、胸に込み上げてくるものがあった。
扉を開け、外に出る。
ととねさんの歓迎の声。
オンワード グアムの、Fさんも来ている。
ほんとにグアムに入れたのだ。
ととねさんと、Fさんたちの苦労を考えると
ありがたい気持ちでいっぱいだ。
目は涙でうるうるしてしまっている。
涙声で挨拶にならない。
ととねさんも泣いているようだ。
本当に入れた。今までの苦労が無駄にはならなかった。
私たちは空港を出て、ケイルの排泄をすませる。
フライト時間が短いために、特に気をつけなくてすむ。
ホテルの車で、宿泊するオンワードグアムに向かった。
グアムでの「こんにちはの挨拶は、「ア ハ デー]
これからいたるところで耳にすることになる。
陽気な南の島は、みんな温かく迎えてくれる。
その気楽な雰囲気が、こちらの緊張を解きほどいてくれる。


8. 作戦大成功!!


空港を出たところでケイルの排泄をすませる。
飛行時間がアメリカの本土に行くのに比べて,とても短いので
ケイルのトイレや,水の補給などをあまり気を使わなくてすむ。
ホテルの車で宿泊する「オンワード ビーチ リゾート ホテル]に
ホテルのF氏と,ととねさんと向かう。
ホテルが集まっているところを通り抜け,少し離れた場所に
そのホテルはあった。
天気は晴れ。気温は30度。さすがグアム。
熱い日差しが肌を刺す。
空港から離れた場所とはいえ,狭いグアムである。
すぐにホテルに着いた。
まずはロビーの片隅でコーヒーを飲んで一休み。
ケイルも横になり一休み。
秋の東京から,真夏のグアム煮来て驚いたかな?
これからなんとテレビと新聞の取材があるということだ。
グアムに始めて盲導犬が入ったということ。
アメリカでおこった,「同時多発テロ]の騒動の中を
やってくるということで取材の対象となったわけだが,
これはF氏の作戦。
グアムにとってうれしい話題であるのは当然だが,
「私とケイルのことを,グアムのみんなに知ってもらえれば
島での行動が動きやすくなるだろう。]というF氏の考え。
これは大正解。作戦成功ということになった。
グアムから帰る日まで,どこに行っても「新聞を見たよ]
という声。どこでも温かく迎えてくれた。
私たちが載った新聞は,グアムではとてもポピュラ−な新聞。
島の人のほとんどが読んでいると言っても過言ではないようだ。
新聞の取材は到着の日にきたのだが,テレビは翌日になった。
テレビの放映は帰国する前の夜にようやく放送された。
どのように放送されたのか見ることができなかった。
放映が遅れたのはやはりテロの余波だろうか。
それとも炭素菌の性なのか。
アメリカの文化の影響が大きいグアムであっても,盲導犬を始め
サービスドッグのことを知らない人も当然いる。
知っていたり,聞いたりしていてもみたことのある人は少ない。
グアムにいないのだから当たり前だ。
そこで新聞の影響は大きい。
さすがF氏。
作戦大成功でした。



9. オンワード ビーチ リゾート ホテル


これから5日間お世話になるのが「オンワード ビーチ リゾート ホテル]
ビーチと名前がつくのだから当然浜辺に立っている。
ホテルと浜の間には,子供用のプールと,小さ目のプールがある。
ホテルに隣接した敷地には,「ウォーターパーク]という施設がある。
ここには波の出るプール。流れるプールなどいくつかのプールがある。
またウォータースライダーが4基ある。
宿泊客は無料で楽しめる。

さて私とケイルの泊まる部屋だが,ホテルのご好意で
スイートを用意してくれた。
オンワードはグアムにあるホテルの中で,部屋の広さが1番らしい。
それが二つ文のスイートである。
使い切れるだろうか?
部屋の説明をしてみよう。
部屋は11階。エレベーターを降りて少し歩くと左右に廊下が分かれる。
私の部屋は左に曲がりすぐの左側。
わかりやすい場所を選んでくれたようだ。
部屋の鍵はカード式。
このカードは挿し込む方向がわからないので,左の手前に切り込みを
入れてもらいたいとお願いした。
部屋に入ると右側にバスルームがあり,その先にリビングで、突き当たりに
海を臨む窓がある。
いわゆる,オーシャンビューというものだ。
寝室には窓に向かって左。窓の近くにドア−がある。
リビングにはダイニングテーブルが入ってすぐ右にある。バスルームを
隔てる壁に冷蔵庫とカウンターが並ぶ。
テーブルには4脚の椅子があり,
右隣の部屋との壁に電話が置いてある小さな机がある。
リビングの窓側には応接5点セットが並ぶ。
リビングに入り寝室側の壁にはテレビが置いてある。
次にバスルーム。
ドア−を空けると左の壁に洗面台。
奥にバスタブ。
ドア−を入って正面がシャワー室。その右にトイレ。
整理すると隣の部屋の壁に沿って,廊下側からバスタブ,トイレ,
シャワー室と並ぶ。トイレに座って正面に洗面台があり,左にバスタブ
右にシャワー室。1時の方向にバスルームに入るドア−となる。
ドア−と洗面台の間にはドライアーが備えられている。
次は寝室です。
寝室のドア−を入る。リビングと同じで右に窓がある。
リビングとの境の壁を頭にしてベッドが二つ。
その間にサイドテーブルがあり,電話が置いてある。
ベッドの足の方向の壁にテレビがある。テレビと窓の間には小さな机がある。
寝室に入り1番置く。
つまり廊下側の壁にはクロゼットがある。

部屋の説明はこんなところかな?
とにかく広い。寝室での移動はいいのだが,リビングでの移動は最初
てまどったが,1日でなれてしまった。
ケイルのハウスはベッドの間にした。
敷物を敷き,ベッドの足にチェーンを結ぶ。
リビングの冷蔵庫にはサーbサービスで,ビールとコーラ。そして
ミネラルウォーターが入っていた。
窓の外にはベランダがあり椅子がある。
ケイルのトイレはここでできそうだ。もちろん袋を使ってです。
テレビはNHKが見られたので退屈はしなかった。
日本とグアムの時差は1時間なのでリアルなのに1時間送れている番組を
見ているような変な感じだった。
ホテルの1階にフロントとロビーがある。コーヒーが飲めるのも
ここのロビーだ。
2階にはレストランがあり,朝食はこのレストランで取った。
バイキング形式だったが,テーブルまで持って来てくれて,助かった。
他にもレストランがあったが結局行くことはなかった。
ビーチに出るには地下から出入りする。

ホテルの従業員には何人かの日本人がいて,みんな親切にしてくれた。
作りも広広していて落ち着いている。
おかげで5日間のんびりと休むことができた。


10. 食べる・食べる!


仕事も大事。遊びも大事。でもやっぱりこれが1番でしょ。
何かって?もちろん食べること。
さてグアムでのディナーをまとめて報告です。

ついた夜は,ととねさん一家でお食事。
相談の末。たい料理のお店に向かう。
このお店はととねさんたちはよくきているようだ。
ととねさん一家は,ご主人と,11歳の女の子のセーラーちゃんの、
3人暮らし。
グアムで食事となると,とても迷うようだ。
とにかくなんでもある。
日本料理はもちろん,中華,東南アジアの各国。
イタ飯を代表に地中海料理。
欧米の各国。
迷わないわけがない。
たい料理はととねさんたちの推薦のお店。
さすがお勧めだけあってとても美味しかった。
日本でもアメリカでもたい料理は食べたことがあったが,
ここは最上級だろう。
旅行に出るとどうしても食べ過ぎてしまうので,セーブするのがたいへんだ。
簡単にメニューの説明。
ココナツスープ・トムヤムカガイ・海老の薄皮包み揚げ・
レッドカレー・パッタイ・イカの唐揚げ
上の物を食べたのだが,覚えていたのではありません。
とあるところを覗き見しました(笑)

2日目の夜は,ホテルのウォーターパークで,
ポリネシアンディナーショーでした。
南国情緒あふれるショーを見ながらの食事です。
食事の内容はジンギスカン鍋での焼肉です。
ホテルの従業員の方々と一緒に行きました。
ショーの中で,私を紹介してくれたのには驚きました。
食事はもちろん美味しくてついつい食べ過ぎ。
食事とショーが終わった後に,特別に撮影大会。

3日目の夜は,またまたととねさん一家との食事です。
今度はステーキです。
やはりこれを食べないとダメですよね。
行ったお店は「アウトバックス]です。
ここでは狂牛病なんかどこ吹く風!
兵隊さんを始め,現地の人たちでにぎわっていました。
さすがグアムです。肉のボリュームのあること。
2人前を4人で食べてもおつりがくるぐらいです。
それと大きな玉ねぎをたてにいくつかカットして油で揚げてあるもの。
これがまた美味しい。
他にサラダとパン。
もう満腹。食べられません。
でも,でもです。
デザートと聞いて目の色が変わるのは私だけではないでしょう。
私はデザートを食べたそうなセーラーちゃんの気持ちを察して,
一番ボリュームのある,とっても甘く,すごいのを頼み,
セーラーちゃんと二人で突っつきました。
いやあ,完璧にカロリーオーバーです。
でも幸せです。
そうそう,このお店の支店が日本に1軒だけあります。
それは東京の南町田です。
もちろん行きました。
友人と行きましたが,日本でもボリュームたっぷり。
デザートは食べませんでしたが,二人でお腹いっぱいになって
店を出ました。
こちらの方にこられたときはどうぞお立ちよりください。
おっとグアムの話でしたね。

4日目の夜。つまり最後の夜です。
この日はととねさんの家で大勢が集まってくださいました。
この夜のことは改めて書きます。

皆さんも同じかと思いますが,旅行となるとどうしても食べ過ぎてしまいますよね。
いつも出発の時より,帰ってくるときの方が体重が増えている。
たぶん思い出という美味しい物が体中に詰め込まれているからでしょう。
グアムから帰ってきてそうとう時間が経っていますが,その思い出は
まだ体の中に入ったままのようです。


11. 病院にて


ホテルの豪華な部屋で一夜を過ごし,グアム2日目である。
今日の予定は午前中が動物病院で,午後からは海でパラセーリングと
ジェットスキーだ。
「ついた早々病院なんて,ケイルに何かあったの?]なんて
驚かれる方もおられるかと思いますが安心してください。
ケイルはいたって健康です。
病院に行く理由は日本での検疫に必要な書類を書いていただくためと,
狂犬病でない証明を取るために血液検査をしないといけないためです。
しかし,狂犬病予防接種を受けていて,グアムに検疫をパスして,
グアムに入っているケイルにとって,なんの必要性を感じない
検査に思えます。

朝食を済ませ,休んでいるとととねさんが迎えにきてくれました。
病院の約束は9時です。
ホテルから病院まではわずかな距離です。
約束の15分ほど前にホテルを出ても楽に間に合います。
病院には前から予約を入れてくださっていました。
検査だけとはいえ,始めての病院は緊張します。
ケイルと始めての海外旅行の時にも,アメリカの病院に行きました。
その時のことが思い出されます。
もしも私に子供がいて,病院につれてきたら,この感覚と同じような
思いになるのでしょうか。
順番がきて,私達は治療室に入りました。
ドクターは女性の方です。
日本で治療室というと,すぐに治療台にのせますが,海外では
必ずしも台にのせるという事はしないようです。
アメリカでも床で検査をしていました。
もちろん手術などの時は手術台にのせるのだと思います。
検査は,この犬が何かの感染病にかかっていないか調べるものです。
ケイルはもちろんなんの問題もなく安心しました。
次になんの意味もない血液検査です。
こんな無意味な検査をしなくてもいいのではと思っていましたので,
ドクターに伝えると管轄の役所に問い合わせてくれました。
かなり時間をかけて交渉してくれましたが,結局ダメでした。
この検査をしないと,強制的に帰国させられるか,ケイルが2度と
グアムの地に降りられなくなるということを聞きました。
そうなっては大変です。
すぐに帰らなくてはならないことは大げさとして,
2度とこられないのは問題です。
始めての盲導犬が汚点を残すのはこれからの盲導犬にとってよくないこと。
グアムにもっと盲導犬がこられるようにするためにも,お上の
言うことには従うことにしました。

さあ,血液も取ってもらい,後は健康証明書を書いてもらえば病院は終わり
とホットしていましたが,思わぬ展開に見まわれました。
青天の霹靂という言葉が頭の中にクローズアップ!

「マ,マイクロチップ!]
狂犬病の検査のために採取した血液を,ハワイに送って調べて
もらうのですが,その血液に添える書類にマイクロチップの番号を
添えなければならないということでした。
もちろんケイルにチップは入っていません。
皆さんの中に「マイクロチップ]についてよく知っている方もおられると
思いますが,簡単に説明します。
決して細かく割れてしまったポテトチップではありません。
「マイクロチップ]は大きさが鉛筆の芯の先ぐらい。
注射器を使って犬の背中の肩甲骨のあいだに入れます。
このチップには番号がついていて,リーダーで読み取ります。
番号は世界にひとつの番号です。
チップを入れる目的は,個々の犬の識別です。
なぜチップを入れるかといえば,迷子になったときに,飼い主を探せる。
犬を捨てても飼い主がわかる。捨てるという行為を抑制できる。
不慮の事故により死んでしまっても飼い主がわかる。
違法の行為によって売買をすることを抑制できる。
血筋を正しく繁殖できる。
と、色々あります。
海外ではかなり普及してきているようです。
日本でも普及の兆しはありますが,まだまだなようです。
心配なのは犬への負担ですが,まったくないようです。
私も知らないときは,「マイクロチップを埋め込む]
という言葉を聞き,観血的手術をするのかと思っていました。
しかし注射器でいれるということで,思い過ごしだったということに
気がつき,かえって各予防接種よりも犬への
負担はないということも知りました。

犬に負担はないと知っていても,あまりにも急な話です。これからグアムで
問題なくすごさないといけないこと,またグアムにくること。将来
オーストラリアに行きたいと考えていること。
日本でもチップを採用するだろうと思うこと。
たくさんのことが頭の中を駆け巡ります。
ととねさんも心配して説明してくれます。
ととねさんの家にいる犬にもチップが入っています。
迷って考えている私に,チップの安全性を話してくださいました。
考えました。考えて考えました。
その時間は長かったのか短かったのかわかりません。
どちらにせよ答えを出さなければなりませんでした。
考えた末,入れてもらうことにしました。
もちろん作業は簡単に終わり,あっけないものでした。
ととねさんが,安心させるために注射器に触らせてくれました。
終わってしまえば何てことない。
ケイルも何もなかったように尻尾を振っています。
その後,ケイルに何の異常も出ていないことを報告しておきます。

日本ではマイクロチップの普及はまだまだ先かと思います。
チップにはいくつかのメーカーが作っているようです。
私の願いは,企画の統一化。
それも日本だけではなく,世界的に統一していただけるようになることを
願っています。
特に海外に行くチャンスが多い盲導犬は,海外の情勢を考慮してチップの
導入を考えていただきたいと思っています。


12. 影丸登場!

12. 影丸登場!

病院では思わぬ展開になったが,無事に終了。
診断書の狂犬病予防接種の薬の詳細を,接種してくださった獣医さんに
問い合わせ,記入すれば完成。
この問い合わせはととねさんの家で行うことにする。
しかし,この診断書を書いていただくだけでは,まだ未完成なのです。
この診断書に政府の認めた獣医師だという証明の版を
押していただかないといけないのです。
日本語では裏版で,英語ではエンドースメントと言われています。
この証明をもらうために,政府機関にいかなければならないのですが、
その担当の人が不在のために,ととねさんの家で
小休止をすることになりました。
ととねさんの家は病院からすぐ近く。
家には黒ラブの「影丸]を始め,猫の「チャチャ]
鶏など,さながら小動物園の様子です。
つい先日に家族になった亀がどこかに行ってしまったとか。
ととねさんの家族を紹介します。
ととねさんは以前日本語を教える学校で教壇に立たれていたことが
ありましたが,現在はPTAの役員をされています。
ご主人は建設関係のお仕事をされています。ニックネームは「界王]
どうしてこの名前になったのだろう?聞こうと思っているのだが未だ謎。
子供は小学校5年の「セーラーちゃん]
当たり前なのだが英語を話す。日本語も話す。
英語がダメな私は、英語が話せるだけで尊敬の対象になるのです。
もしも私が結婚して子供ができたら,外国で育て,英語が話せるようにしよう。
親が果たせなかった夢を子供に託す。なんとけなげな心なのか。
ととねさんとは,ケイルのホームページで知り合った人です。
ととねさんは「とんがりクラブ]を主催していて,みんなからは総裁と
言われています。ケイルはこのとんがりクラブの一員なのです。
もちろん影丸もメンバー。このクラブについて詳しく知りたい人は
HPをみてください。
家につくとゲージの中から尻尾を振って影丸がおで迎え。
すぐには出さないでコーヒーを飲んで落ち着いてから出すことにする。
ととねさんの家は海が見下ろせる小高い丘に立つ一軒家。
遠くに波の音が聞こえてきそうです。
コーヒーを飲みながら健康診断書に必要な狂犬病の薬について日本の
獣医師に電話で問い合わせる。
必要なことを聞きおえ,ついに影丸をゲージから出す。
思わぬ新参者に興味津々の影丸。
ケイルとのご挨拶の後,二人で部屋の中を探検。
年齢はケイルの方が上。でもここは影丸の家。
果たして二人の関係はいかになりますか。
しばらく二人をほっておき,こちらは続けてコーヒータイム。
すると二人の方から,「うっ!]という唸り声!
なんとケイルの声。ほえたわけではなく,うなったのです。
ケイルと出会って3年少し,ほえた声を聞いたことがないのは当然として、
唸り声を聞いたのははじめて。
影丸がちょっとしつこくしたみたい。
ととねさんいわく,「順位付けができたみたい]
なんとケイルの方が上になったみたいです。よそ様の家に来ているのに
なんて言うことでしょう。
このエピソードには後日談がありまして,最後の夜に,このととねさんの
家でみんなが集まったときに,おもしろい事がおこりました。
やはり影丸とケイルが遊んでいて,またケイルに影丸がケイルに
一喝されました。そのとき
私の前に犬がきました,当然ケイルかと思いましたが,
それは影丸だったのです。
そして私にこう言うのです。
「あのを,おたくのケイルにしかられたのですが,僕が悪かったと言って
おいてください]という感じでした。
でも二人は仲良くしてくれていたのでうれしかったです。
コーヒーを飲んでいると電話がなりました。
お近くに住んでいる友人からのようです。
その友人が私立ちに会いたいということで,すぐにやってくる
ということになりました。
その友人はSさんと言って,ゴールデンのネバダという犬を飼っています。
ネバダも一緒にやってきました。
ネバダと影丸はお友達同士。
二人が遊び出すととんでもないことになるということで,影丸はゲージの
中へお帰りです。
ネバダもとってもフレンドリーで,ケイルとのご挨拶も無事終了。
ネバダは触るとお腹を上にして,へそ天ポーズ。
影丸はゲージの中。
Sさんを交えて少しお話をしてから,健康診断書を完成させるため,
再度病院へ行くことにしました。
それとエンドースメントも取らないといけません。
Sさんと別れて、ととねさんの家を後にしました。


13. 空に海にLET‘S GO!!


動物病院に立ちより,診断書を完成させ,大事なエンドースメントを
取りに役所に向かう。
おっとその前に,水着を買いにお店に立ち寄る。
ととねさんとお店の人の意見を聞き、気に入ったものを選んだ。
細かいお金を出そうとしたらまけてくれた。やったね。
水着を買い,役所に向かう。
担当の人と連絡は取れていないが,ダメ元で向かう。
教えられたところにはいなかったが,すぐ近くの
別の事務書にいることを確認。
行ってみるといました。
てきぱきと処理してくれて,なんなくエンドースメントが取れました。
これでやっかいな仕事はすべて終わりです。後は遊んで遊ぶだけ。
いや,学校でのお話が残っていた。
というより,このためにきたのでした。
でも,今日と明日は遊ぶことに集中しましょう。
ホテルに帰る途中で,マクドナルドにより,お昼を確保。
ついでに私が載っている新聞を手に入れる。
ホテルにつき,ハンバーガーを食べながら新聞をととねさんに読んでもらう。
新聞には初めてグアムに盲導犬がきたということ。
テロの事件の後であったが,子供達に盲導犬を見てもらいたいと
いうような事が書いてあった。

さて午後からはパラセーリングとジェットスキーをやる予定だ。
ととねさんは家の都合で帰られる。
パラセーリングも,ジェットスキーも海なのでケイルはホテルのFさんに
見ていただくことにした。
南の島の海である。気温は高いし,日差しが強い。
ケイルは冷房の効いた部屋でお留守番。
喜んでいたのはケイルではなく,Fさんだったようだ。
支度をして待っていると,ホテルのNさんが迎えにきてくれた。
Nさんは日本人で,ホテルのウォーターパークの責任者です。
パらセーリングとジェットスキーのアシスタントをしていただきました。
まずはパラセーリングです。ホテルの浜辺から
車でポート乗り場まで行きます。
横浜から来ていた家族と一緒になりました。
挑戦するのは奥さんだけのようです。
旦那さんと,子供は見てるだけということです。
数分でポート乗り場につきました。
ポートに乗り,沖に向かいます。
波はなく,爽快にポートは走ります。
ここでパラセーリングの説明をします。
ワイヤーに落下傘がついていて,落下傘のところに人間がハーネスに
よってぶら下がります。
ポートから飛び立ち,ポートに戻ります。
なので濡れることはありません。
失敗しなければの話しのようです。
念のためにライフジャケットは着ますが,コンデションがよければ
なんの心配もありません。たぶんコンデションが悪ければ,
実施しないでしょうね。
私はスキーを履いて水面から上がっていくのだと思っていましたが,それは
かなり昔の話のようです。
今はボートから飛び立つようになっていて,どなたにもできるようです。
私はホテルのNさんと一緒に乗りました。
タンデムと言って二人でも乗れます。
一人でもなんの問題はありませんが,状況を説明してもらうために
二人で乗りました。
高さは50メートルほど上がるようです。
風が強ければ,ボートを走らせなくても重文に上がって行きますが、
二人乗っていると走らせないと落ちてくるのだそうです。
ボートから離れると,静かに上がって行きます。
風の音と,ボートのエンジンの音。
しかしエンジンの音もだんだん聞こえなくなってきます。
それは上空高く上がっていることを示しています。
時々,横風でゆれますが,怖いことはありませんでした。
かなり長い時間,上空にいたようです。
ワイヤーが機械に巻き取られてきます。
エンジンの音が近づいてきます。
ポートから声がかかります。
やがてポートに無事着陸。
いや着水。いやいや着艦かな?
次に,横浜からきた家族の奥さんが一人で乗ります。
女性で一人で乗ったので,ボートは走らなくてもだいじょうぶのようです。
しばらくして奥さんも無事帰ってきました。
ボートは再びボート乗り場に帰ってきました。

次にチャレンジするのは,ジェットスキーです。
こちらが私の第1の目当て。
昔から1度は乗ってみたいと思っていました。
ジェットスキーは,水上を走るバイクみたいに考えるといいです。
ここのものは3人乗り。
排気量は900CCぐらいあるそうです。
アクセルを少し絞ってあるそうですが,それでもかなりのものでした。
これにもNさんと乗りました。
私が操縦してNさんが後ろに乗ります。
そしてNさんが右,左と指示してくれます。
視覚障害者の苦手なことのひとつに運転があります。
しかしジェットスキーは,指示していただければ重文楽しめます。
決められたコースを何週も回ります。
直線ではスピードを出し,カーブではスピードを落とします。
慣れてくると,カーブでもある程度のスピードで曲がれるようになります。
スピードはハンドルについているレバーで行います。
ハンドルを曲げれば曲がってくれます。
オートバイのように体を傾けなくても曲がります。
重文過ぎるほど楽しみました。
感想として,直線がもっと長ければよいと思いましたが
しかたがないですね。
本当におもしろく,また機会があれば乗ってみたいと思いました。


14. 本物だよ!本物!


今日はちょっと遠出です。
といっても小さい島。
大きさは淡路島ぐらいだそうです。
島を横切って反対側に行きます。
お目当ては,ジャングルリバークルーズ。
そうです,ディズニーランドのジャングルクルーズの本物版です。
違いといえば,猛獣は出てこないところです。

ジャングルリバークルージングのツアーは午前と午後の2回ある。
これからの予定と,熱さを考えて,午前中のツアーに参加することにした。
ツアーの業者がいくつかのホテルを回って参加者を乗せてオンワード
ホテルにやってきた。
私とケイル,ととねさん,そしてホテルのFさんとバスに乗る。
バスには何人かのお客さんが乗っていた。
テロの影響でバスは空席が目立った。
小人数なので,マイクロバスを普通は使うらしいが
盲導犬が一緒ということで大型のバスを用意してくれたようだ。
おかげでゆったり乗ることができた。
バスは緩やかなカーブが続く道を走る。
グアムにも低い山がアル。
山道とはいえないのかも知れないが,いくらか上り坂のようだ。
途中から下り坂になり,1時間かからず島の反対に出た。
海岸線につくと,ドライブインで休憩。
お土産を売っていたり,軽い飲食もできるようだ。
壁には写真がたくさんかかっている。
有名人が訪れた時に写し,飾るようだ。
グアムで有名な人と言えば,横井さん。
横井さんの写真も飾ってあったようだ。
予断でありますが,伊豆の下田で横井さんに会ったことがあるやまちんです。
私もそこのスタッフと写真を撮られました。
僕の写真も飾ってくれるのかな?
ここからジャングルリバークルーズの場所まではすぐ近くのようです。
トイレをすませバスに戻ります。
ほんの数分でボート乗り場につきました。
ボートはディズニーランドの者よりは大きいが,開放的な作りは
似ているような感じがする。
もちろんケイルも一緒に乗る。
ケイルはディズニーランドの物は何度も乗っているが,本物は初めて。
いや私も初めてであります。

エンジンの音を大きくしてゆっくりとボートは動き始めます。
椅子はベンチで,進行方向に向かって横に配置してあるようです。
現地のガイドが日本語で案内してくれます。
私もびっくりのつまらないギャグの連発です。
このガイドさん,バスの中でもしゃべりまくりです。
帰る時に気がついたのですが,
バスを運転しながらガイドしていたようです。
一人でなんでもやっちゃうんのですね。
川の両側にはマングローブや,やしの木が密集してジャングルを作っています。
猛獣は出てこないと書きましたが,イグアナはいるようで,何度か出てきたようです。
川の流れは静かで,ボートのエンジンの音。ガイドのギャグ以外は聞こえません。
気温も特に熱すぎず,ボートの屋根がちょうどよい日陰を作ってくれます。
ケイルも気持ちよさそうに足元に横になっています。
水面を渡ってくる風と,緩やかなボートのゆれで,いつしか
うとうとしてしまった。
ほんとに気持ちがよく,このまま熟睡できたらなんて幸せなんだろうと
思いながら眠気と戦う。
しかし何度か敗北。夢の世界に引きずり込まれ,現実の世界に連れ戻され。
ボートのゆれに合わせて,あっちにこっちにふらふらと。
ボートの上で船をこいでいるのですからどうしようもありません。
ボートは原住民のチョモロ人の古い家を復元した家などが
立っているところにきました。
チョモロ人は北マリアナ諸島のグアムやサイパンに古くから住んでいた
人達です。
現在も多くのチョモロ人がグアム,サイパンに住んでいます。
有名な恋人岬から身を投げた二人もチョモロ人でした。
ここで家の説明や,木を使って火を起こしたりする様子を見せてくれました。
ジャングルの中は蒸し暑く,蚊が多くて,何箇所も刺されました。
草で作った籠やうちわをいただき,ボートに戻ります。
いたるところにやしの実のかけらが落ちているのでケイルは落ち着きがありません。
食べたらダメだよ。
と,言っている私はいただきました。

ボートに戻り,また動きはじめました。
乗り場に戻ります。
当然にきたときと同じ時間がかかると思いましたが,驚くことなかれ。
ボートはあっという間に帰ってきました。
ボート乗り場と,住居を復元したところはちょうど反対側。
ボートは川を上っていて,いつのまにか下っていたのでした。
寝ている暇がありませんでした。
バスは来る時に立ち寄ったドライブインにまたよります。
今回はアイスクリームのサービスがあります。
一休みしてバスに戻るときに,ここのオーナーの奥さんに呼び止められ,
新聞を見ましたよ。また来てくださいと熱烈送迎!!
ほんとに新聞を見ている人は多く,みんな知っているのには驚きます。
バスは来た道を戻ります。
運転手兼ドライバーのギャグはお疲れなのかちょっとパワーダウン。
みんなもお疲れか,車内は来るときよりも静かです。
私もいつしか眠ってしまった。


15. ウォーターパーク


ジャングルの探険から帰ってきて一休みしてから今度はウォーター
パークに行く事にする。
ここはホテルの施設で宿泊客は無料で使える。
昼頃から時々雨が降るようになったが,どうせ濡れるので,予定
どおり行く事にする。
ここにはたくさんのプールとウォータースライダーがある。
プールは流れるプールから波が出るプールとバラエティーに富んでいる。
ウォータースライダーは4本あり,自分の体ですべるのが2本と,大きな
チューブに乗ってすべるのが2本ある。

プールの事務書でケイルを預かってもらうことにした。
見ていてもらうのはホテルのFさん。
私はパラセーリングでお世話になったNさんに案内してもらった,
まずは波の出るプールで小手調べ。
ブギーボードといって,ウレタンおマットに乗って
波乗りをするのだ。腹ばいになって乗るので誰でもできそうだ。
3本ほどやって次に移る。
やはりウォータースライダーでしょう。
長さが違うのが2本づつある。まずは短い方からやってみる。
ウォータースライダーは初めてではない。
今から?0前の幼少の時に(笑),横浜のドリームランドで体験している。
しかし,そのものとは規模が違っていた。
滑る距離も違うし,曲がりくねっているし,スピードも出る。
かなりスリリングで楽しめる。
ウォータースライダーとは水が流れている滑り台です。
みずと一緒に滑るのでとても滑らか。
滑っているあいだに水が鼻に入ってしまうこともありますので
気をつけましょう。
チューブの者もおもしろい。
滑りながらくるくる回ったりする。
最後にプールにドボンと落ちるのだが,チューブで落ちるときは気をつけないと
さかさまになってしまう。
長い方は,屋根がついていて洞穴の中を滑ってくるようになっている。
いい大人が5,6回も滑って喜んでしまった。
雨が時々降ってきた。
グアムとはいえ,雨が降ってきて濡れていると少し寒い。
タオルを肩からかけて休んでいると,Fさんがケイルを連れてきた。
ケイルは「自分だけ遊んでずるい!]とでもいいたげに私に飛びついてくる。
休憩所でジュースをいただきしばし休憩。
しかし雨が降っているとはいえ,人が少ない。
貸切ではないかと思うぐらいだ。
人が多すぎるのもいやだが,これほど少ないのもいやなものだ。
ほんとわがままなものです。
最後に閉めとして,もう1本滑ってホテルに戻る。
帰ってから,流れるプールに行かなかったことに気がつく。
まあいいか。

今夜はととねさん一家と食事と買い物。
さてお土産を買わないと。


16. 学校訪問


今日は土曜日。明日は日本に帰る日です。
グアムには,何をしに来たのでしたか?
遊びに来たのかな?何か大事なことがあったような気がします。
そうそう,日本人の子供達が通っている学校で,盲導犬について話をする。
これが今度の旅行の目的でした。
いよいよその日が来ました。
グアムの子供達は,普通の学校に通っています。
学校には,日本人,アメリカ人,そのほかの国の子供達。
そして現地の子供達が英語で授業を受けています。
子供同士では英語で会話をしています。
日本人同士でも英語で話すことが多いようです。
そのため,日本語は家庭で話すだけになることが多くなり,苦手な子供が
多くなるようです。
それらの子供達に日本語を教えるのが、補習校といわれ、私が盲導犬の
事を話す学校です。
子供達は全員で100人少しいるようです。
年齢によってクラスが分かれて,勉強をしています。
学校は少し山の方に入ったところにあり,スクールバスで通っています。
時間によって,学校に通ってきます。
普通の学校が終わってからとか,土曜日,日曜日に学校があります。
それらのことと,大きな教室がないことによって,お話は午前中に2回。
午後に1回ということになりました。
1日に3回というのは初めてのことでした。
日本で最初に子供達に話しをして,その後にPTAの方に話しをすることは
ありました。ととねさんが日本のアイドル歌手並だといいました。

学校へはホテルのFさんが送ってくれました。Fさんは子供がこの学校に
通っています。今回グアムでお世話になった日本の方々はみんな子供が
学校に通っていました。

学校は平屋で,プレハブのような作りでした。
控え室で待っているとPTAの方々が集まって来ました。
子供達は教室に直接に行くようです。
1回目と2回見の間にもここに戻ってきます。
3回にわけて話しをしたのですが,3回とも内容は少し違います。
いつもその場その場で思いついたことを話しています。
また話し方,内容は聞く人の年齢によって変えます。
今回は年齢だけでは話し方を決められません。
それは日本語が苦手な子供達だと言うことです。
しかし日本語は苦手でも,学習能力はその年齢に応じてあるのです。
逆に考え方などは,日本の子供達よりも発達しているかも知れません。
いわゆる大人なのかも知れません。
言葉はやさしく。内容はそれなりに。
これがうまく出来たのかわかりませんが,どうにか3回やりました。
上級生のクラスでは,パソコンを持っていき,どのように音声を使って
パソコンを活用しているのか話しました。
うまく話せたかどうかわかりませんが、みんな真剣に聞いてくれました。
いつもならギャグの一つか二つ出るのですが,どうも調子が
出ませんでした。
それでも3回目になると気分もだいぶ落ち着いてきて,どうにか形に
なったようです。

昼食は,お母さん方が作ってきてくれた手作りのものをいただきました。

いつもと環境が違う状態での話でしたので,緊張しました。
それと3回はきつかったかな。
時間が長いのはいいけど,同じことを話すのも難しいですね。
でも,とてもおもしろかったです。
同じことを何度も質問する子供とか,答えにまごつくような質問をする
子供とかいました。

話しが終わってから,さっそく子供達が感想文を書いてくれました。
いつも素直な子供の感想には心を打たれます。
そして話しをして良かった。きてよかったと思います。
もちろんここでも同じように感じました。
そして,また来たい。そして話しをしたいと思いました。

3回も付き合わされたケイルですが,いつもと同じように横に
ダウンしていました。
いや,いつもよりも落ち着いていたのかも知れません。
私が緊張しているのに。


17. ダーティーハリーよろしく


「これからどうしますか?]ホテルのFさんの言葉に私は少し考えた。
まだグアムの日差しは強く,できることは多くあるだろう。
しかし,できるということと,満喫することは違う。
当然これからできることに限りはある。
私の頭の中を,グアムでのアクティビティーが駆け回った。
スカイダイビング,スキューバーダイビング,ヘリコプター遊覧などは
すぐに削除された。
夕食をかねるディナーショーなども削除だ。
今夜はととねさんの家でパーティーの計画がある。
かといって2日目に経験したパラセーリングやジェットスキーにいっても
脳がない。
迷っている私にFさんは。
「ピストルでも射ちにいきませんか?]と言った。
私もそれを考えなかったわけではなかった。
しかし10年前にきたときに経験していた。
せっかくだから経験したことのないことをやってみたいというのが,
私の気持ちだった。
しかし,何をするにも中途半端な時間。
こう言っては申し訳ないのだが,暇つぶしの気持ちでいくことにした。
男というものというとごへいがあるので,私は拳銃とかミサイルとか
戦車とかに,とても興味がある。
子供の時は銀だま鉄砲で遊び,少年期は友人のモデルガンを手にして喜び,
大人になると兵器の専門書に目を奪われていた。とても物騒なやつでした。
また映画,テレビの戦争物,アクション物,刑事者が大好きで
今でもそのような作品をついつい見てしまいます。
そんな私ですから以前グアムにきたときは,1も2もなく,シューティングに
いきました。
しかし,期待とは遠く,さほどの興奮も喜びもありませんでした。
拳銃では威力のある「マグナム44]というピストルを撃ったときも
さほどの威力はなく,落胆しました。
この拳銃は映画の「ダーティー・ハリー]でクリント・イースト・ウッドが
演ずる主人公が持っている拳銃です。
その威力をあらわす現象として,拳銃を撃った反動で手が上に上がったり
しりもちをついたりするのがあります。
私が撃ったときにも少しは衝撃がありましたが,なんのなんの,ほんの
少しももので,期待はずれでした。
そう言うわけで今回もさほど期待はしていませんでした。
しかし,射撃場に向かう車の中で以前の経験をFさんに話すと,
これから行く所は本格的なところだと教えてくれました。
というもの,射撃で使う弾丸は,そこの射撃場で火薬を詰めているというのです。
グアムのほとんどの射撃場が,観光のためか,火薬の量を減らしているというのです。
私はにわかに期待が膨らんできました。

お目当ての射撃場につきました。そこは建物の中の2階にありました。
Fさんが携帯電話で話しをしていてくれたので暖かく迎えてくれました。
ケイルは事務所などがあるところでFさんが見ていてくれました。
大きな音がするのでそのほうが安心です。
私はそこのマスターと射撃のところに行きました。
射撃をするところは,一人一人がしきりに隔てられていて,みんなが同じ
方向に向かって撃ちます。
大きな音から耳を守るためにヘッドホーンの形をした
耳あてをつけます。
拳銃の大きさは主にその弾丸の口径で決めます。
22口径とか38口径とかです。
大きなものは44口径とか45口径などがあります。
女性が護身用に持つのが22口径で,警察官などが持っているのが38口径です。
日本の警察は22口径を長く使っていましたが,今はもしかすると
38口径になっているかもしれません。
22口径は殺傷能力は少なく,38口径になりますと殺傷能力は出てきます。
もちろん22口径でも,当たり所が悪ければ死んでしまいます。
45口径ともなると,象の命を奪うほどの力があります。
これらは20年ぐらい前の知識なので違っているかもしれませんが,
だいたいはこんなところです。
さていよいよ射撃です。
マスターが,どれを撃ちたいかということなので、
フルコースとお願いしました。
となると22口径からなのですが,以前も経験があるので
38口径から始めました
これは自動拳銃またはオートマチックといって,拳銃を握るところ
(グリップ)に弾丸が入っています。
ひきがねを引くだけで弾が出ます。
弾が下から上に装填されて打たれるので,残った薬莢は外に飛び出します。
火薬は薬莢という筒の中に詰め込まれ,その中に弾丸を挿し込んであります。
拳銃から発射された弾丸はもちろん外に出て,薬莢だけが残ります。
下から上に装填されるので,使い終わった薬莢は
邪魔になるので外に飛び出します。
そこで自動と言われています。
それとは対して,回転式(リボルバー)というのがあります。
マグナム44などがそうなのですが,弾丸を入れるトコロ(弾奏)が回転して
装填されます。弾を撃つたびに回転して横に逃げるので薬莢はそのままでも
だいじょうぶなのです。
拳銃を両手に持って,構えを取りました。
マスターが横から,標的に当たるように調整してくれます。
静かに引き金を引いてみました。
耳あてをとおしても大きな音がします。
大きな音に驚くよりも,その衝撃に驚きました。
その昔,マグナム44を撃ったときと同じか,いや今回のほうが
強いのではないか?と、感じるぐらい強いものでした。
「これが本物なのだ。]私は驚きと,両手に残っている衝に
しばし呆然としました。
そしてこれから撃つであろうマグナムに大きな期待をするのでした。
6,7発,38口径の拳銃を撃ちました。
耳当てと共に,目を守るために,ゴーグルをかけました。
時々拳銃から飛び出した薬莢が頭やゴーグルに当たります。
私の周りには火薬のにおいが漂います。
次にいよいよマグナム44です。グリップをしっかり握り,リボルバーに
ついている撃鉄を起こします。撃鉄はハンマーのようなもので
ばねの力で薬莢の尻をたたき火薬を爆発させる役目があります。
38口径の時より力を入れ,慎重に緊張しながら引き金を引きました。
大きな衝撃が手から腕,肘,上腕,肩と伝わり,私の上半身はほんの
少し後ろに倒れました。
これがマグナムなんだ。私の心はその衝撃に興奮し,
喜びがあふれてきました。
弾を入れ替えてもらい,何度か撃ちました。
今回は,以前に経験しなかったM16というマシンガンと,
ショットガンを撃たせていただきました。
マシンガンは引き金の加減で連発もできます。
拳銃よりも大きく腕で抱え込むような構えで撃ちます。
威力は38口径ぐらいでしょうか?
連続で発射されるので,かなりの迫力があります。
さて最後のショットガンになりました。
これは短いライフルのような形で,ライフルの台尻を肩に当てて撃ちます。
ショットガンを甘くみていた私は,そのすごい威力に驚くことになりました。
台尻の当たっている肩が,その反動でとても痛く,肩がかなり後ろに
押されます。
ショットガンの弾は一つの玉でなく、小さい玉が一度に飛び出します。

今回は来る気持ちのなかった射撃ですが,来てよかったと,事務所に
戻りながら思いました。
耳あてをはずすと「ジーン」と耳鳴りがしているような感じが少ししていました。
ケイルはおとなしくしていたようですが,最後のショットガンの音が
したときは少し不安そうにしていたようです。

もしもまた射撃ができるチャンスがあったら,片手でマグナムを撃って
みようと思います。
ダーティー・ハリーのように。



17. ダーティーハリーよろしく

「これからどうしますか?]ホテルのFさんの言葉に私は少し考えた。
まだグアムの日差しは強く,できることは多くあるだろう。
しかし,できるということと,満喫することは違う。
当然これからできることに限りはある。
私の頭の中を,グアムでのアクティビティーが駆け回った。
スカイダイビング,スキューバーダイビング,ヘリコプター遊覧などは
すぐに削除された。
夕食をかねるディナーショーなども削除だ。
今夜はととねさんの家でパーティーの計画がある。
かといって2日目に経験したパラセーリングやジェットスキーにいっても
脳がない。
迷っている私にFさんは。
「ピストルでも射ちにいきませんか?]と言った。
私もそれを考えなかったわけではなかった。
しかし10年前にきたときに経験していた。
せっかくだから経験したことのないことをやってみたいというのが,
私の気持ちだった。
しかし,何をするにも中途半端な時間。
こう言っては申し訳ないのだが,暇つぶしの気持ちでいくことにした。
男というものというとごへいがあるので,私は拳銃とかミサイルとか
戦車とかに,とても興味がある。
子供の時は銀だま鉄砲で遊び,少年期は友人のモデルガンを手にして喜び,
大人になると兵器の専門書に目を奪われていた。とても物騒なやつでした。
また映画,テレビの戦争物,アクション物,刑事者が大好きで
今でもそのような作品をついつい見てしまいます。
そんな私ですから以前グアムにきたときは,1も2もなく,シューティングに
いきました。
しかし,期待とは遠く,さほどの興奮も喜びもありませんでした。
拳銃では威力のある「マグナム44]というピストルを撃ったときも
さほどの威力はなく,落胆しました。
この拳銃は映画の「ダーティー・ハリー]でクリント・イースト・ウッドが
演ずる主人公が持っている拳銃です。
その威力をあらわす現象として,拳銃を撃った反動で手が上に上がったり
しりもちをついたりするのがあります。
私が撃ったときにも少しは衝撃がありましたが,なんのなんの,ほんの
少しももので,期待はずれでした。
そう言うわけで今回もさほど期待はしていませんでした。
しかし,射撃場に向かう車の中で以前の経験をFさんに話すと,
これから行く所は本格的なところだと教えてくれました。
というもの,射撃で使う弾丸は,そこの射撃場で火薬を詰めているというのです。
グアムのほとんどの射撃場が,観光のためか,火薬の量を減らしているというのです。
私はにわかに期待が膨らんできました。

お目当ての射撃場につきました。そこは建物の中の2階にありました。
Fさんが携帯電話で話しをしていてくれたので暖かく迎えてくれました。
ケイルは事務所などがあるところでFさんが見ていてくれました。
大きな音がするのでそのほうが安心です。
私はそこのマスターと射撃のところに行きました。
射撃をするところは,一人一人がしきりに隔てられていて,みんなが同じ
方向に向かって撃ちます。
大きな音から耳を守るためにヘッドホーンの形をした
耳あてをつけます。
拳銃の大きさは主にその弾丸の口径で決めます。
22口径とか38口径とかです。
大きなものは44口径とか45口径などがあります。
女性が護身用に持つのが22口径で,警察官などが持っているのが38口径です。
日本の警察は22口径を長く使っていましたが,今はもしかすると
38口径になっているかもしれません。
22口径は殺傷能力は少なく,38口径になりますと殺傷能力は出てきます。
もちろん22口径でも,当たり所が悪ければ死んでしまいます。
45口径ともなると,象の命を奪うほどの力があります。
これらは20年ぐらい前の知識なので違っているかもしれませんが,
だいたいはこんなところです。
さていよいよ射撃です。
マスターが,どれを撃ちたいかということなので、
フルコースとお願いしました。
となると22口径からなのですが,以前も経験があるので
38口径から始めました
これは自動拳銃またはオートマチックといって,拳銃を握るところ
(グリップ)に弾丸が入っています。
ひきがねを引くだけで弾が出ます。
弾が下から上に装填されて打たれるので,残った薬莢は外に飛び出します。
火薬は薬莢という筒の中に詰め込まれ,その中に弾丸を挿し込んであります。
拳銃から発射された弾丸はもちろん外に出て,薬莢だけが残ります。
下から上に装填されるので,使い終わった薬莢は
邪魔になるので外に飛び出します。
そこで自動と言われています。
それとは対して,回転式(リボルバー)というのがあります。
マグナム44などがそうなのですが,弾丸を入れるトコロ(弾奏)が回転して
装填されます。弾を撃つたびに回転して横に逃げるので薬莢はそのままでも
だいじょうぶなのです。
拳銃を両手に持って,構えを取りました。
マスターが横から,標的に当たるように調整してくれます。
静かに引き金を引いてみました。
耳あてをとおしても大きな音がします。
大きな音に驚くよりも,その衝撃に驚きました。
その昔,マグナム44を撃ったときと同じか,いや今回のほうが
強いのではないか?と、感じるぐらい強いものでした。
「これが本物なのだ。]私は驚きと,両手に残っている衝に
しばし呆然としました。
そしてこれから撃つであろうマグナムに大きな期待をするのでした。
6,7発,38口径の拳銃を撃ちました。
耳当てと共に,目を守るために,ゴーグルをかけました。
時々拳銃から飛び出した薬莢が頭やゴーグルに当たります。
私の周りには火薬のにおいが漂います。
次にいよいよマグナム44です。グリップをしっかり握り,リボルバーに
ついている撃鉄を起こします。撃鉄はハンマーのようなもので
ばねの力で薬莢の尻をたたき火薬を爆発させる役目があります。
38口径の時より力を入れ,慎重に緊張しながら引き金を引きました。
大きな衝撃が手から腕,肘,上腕,肩と伝わり,私の上半身はほんの
少し後ろに倒れました。
これがマグナムなんだ。私の心はその衝撃に興奮し,
喜びがあふれてきました。
弾を入れ替えてもらい,何度か撃ちました。
今回は,以前に経験しなかったM16というマシンガンと,
ショットガンを撃たせていただきました。
マシンガンは引き金の加減で連発もできます。
拳銃よりも大きく腕で抱え込むような構えで撃ちます。
威力は38口径ぐらいでしょうか?
連続で発射されるので,かなりの迫力があります。
さて最後のショットガンになりました。
これは短いライフルのような形で,ライフルの台尻を肩に当てて撃ちます。
ショットガンを甘くみていた私は,そのすごい威力に驚くことになりました。
台尻の当たっている肩が,その反動でとても痛く,肩がかなり後ろに
押されます。
ショットガンの弾は一つの玉でなく、小さい玉が一度に飛び出します。

今回は来る気持ちのなかった射撃ですが,来てよかったと,事務所に
戻りながら思いました。
耳あてをはずすと「ジーン」と耳鳴りがしているような感じが少ししていました。
ケイルはおとなしくしていたようですが,最後のショットガンの音が
したときは少し不安そうにしていたようです。

もしもまた射撃ができるチャンスがあったら,片手でマグナムを撃って
みようと思います。
ダーティー・ハリーのように。


18. 夜空の彼方まで,ハッピー パーティー!


グアムの最後の夜にととねさんの家にみんなが集った。
ととねさん一家が3人。Fさん一家が3人。ホテルのNさんのところが4人。
ネバダの一家が3人。JALのIさんのところが3人。
そして私。総勢17人。
家族はご夫婦と子供の構成になっている。
みんな私とケイルがグアムに来るのに当たって、手続きをしてくれたり,
グアムに来てから陰に陽にサポートしてくれた皆さんだ。
食事はみんなの持ちよりで,豪華絢爛!
メインディッシュのマングローブカにから,デザートまで。
まずはFさんの言葉でパーティーの始まり。
Fさんの言葉を聞いてすぐに,こみ上げてくるものがあった。
私とケイルのために,集ってくれたこと。
検疫のために、何度も何度も検疫所に足を運んでくれたこと。
私とケイルが安心して5日間を過ごせるように配慮してくれたこと。
私のやりたいことを快く受けてくれて,アシスタントしてくれたこと。
私がグアムでいやな思いをしないように色々考えてくれて,手を
打ってくれたこと。グアムのみんなが暖かく迎えてくれたこと。
たくさんの思いが次から次にあふれてきていた。
鼻の置くはツンとしたものがあり,目頭も熱くなっていた。
Fさんの言葉の次に,私に一言ということになった。
私は,我慢していた涙があふれてきて,何も言えない。
咽が詰まって声が出ないのだ。
涙はとても熱い涙だった。
しばし時間をおき,涙声ではあるが,どうにか声が出るようになった。
話したことはみんなへのお礼とグアムに来てよかったこと。そしてまた
来ると約束した言葉をどうにか話した。
集ってくれたみんなの中にも泣いていた人もいた。
湿っぽい雰囲気になったが,後は楽しいパーティーの始まり。
美味しい料理と楽しい話しに花が咲いた。
大人達はお酒を飲んで,子供達は子供同士で遊んでいる。

話しはグアムの思い出とか,盲導犬の話とか,今後の旅行の話とかが
中心となっていた。ケイルは完全にOFFモードになっていて,みんなの
所に挨拶に行ったり,猫のチャチャの後をついて歩き回っていた。
今回の旅行で,やり残した事はないかと言うことになり,私はスカイダイビングとか
ヘリコプターに乗ってみたかったと話した。
また,「逆バンジージャンプもしてみたかった]と話した。
バンジージャンプは,足にゴムのひもをつけて,橋などの高いところから
飛び降りるものなのだが,逆バンジーはまさしくその逆。
ゴムの力で,空中に引っ張り上げられるものなのだ。
その逆バンジーがグアムにあることを聞いていた。
逆バンジーというけれど,ここグアムにあるのは
私が想像していたものとは違い,人が乗る籠がばねの力で空に
上がるというものだった。
夜間に営業していると言うことなので,これから行こうということになった。
もちろん子供達も大賛成。いわゆる絶叫マシーンなので,のらないという
子供もいる。
お母さん方は心配されていたが,特に危ないものではなさそうだ。
とりあえず私と子供達,そして何人かのお父さん方と行ってみた。
逆バンジーは「スリングショット]というのが正式な名前で,
日本語で言うと「パチンコ]になる。パチンコといっても「チン
ジャラジャラ]のパチンコではなく,ゴムで石などを飛ばすパチンコです。
そのマシーンは広場の片隅に高くそびえている。
2本の塔の間にワイヤーが下に向かって降りていてその先に人が乗る
籠がついている。
籠は二人乗り。塔の高さは50メートルぐらいあるそうだ。
ばねの力でその籠を真上に引っ張りあげるようだ。
ついたときにはお客は誰もいなくて静かだった。
その静けさがかえって無気味で,少し不安な気持ちをあおる
まずは私とNさんの家の男の子と乗る。
シートはベルトとハーネスでしっかりとサポートされる。
目の前にカメラがあることを教えてくれた。
一瞬のショットを写真に撮るためのものだろう。
カメラがあることを教えてもらっていたのだが,いざというときにその
存在をすっかり忘れてしまっていた。それが後でとんだ
恥ずかしいことになるとは。
用意ができて,出発の時を待つ。籠はいっきに70メートルぐらいまで
上がるそうだ。スピードは瞬間的には100キロを超えるらしい。
係りの人の声に会わせて,みんなの声でカウントダウンが始まった。
期待と不安が心臓を貫く。
テン! ナイン!
エイト! セブン! シックス! ファイブ! フォー!
スリー!トゥー!ワン!
地球の重力に逆らうように,風の切る音を響かせて空高く上がった。
そしてすぐ次の瞬間,下に落ちていく。
ふわっとした感じで次は上に上がる。
上がったり下がったりを何度か繰り返す。
2,3回繰り返すと籠の動きは静かに動くようになる。
私は絶叫マシーンが大好きで,ローラーコースターなどに何度も乗って
いるが上に急激に上がったのは初めてだ。
想像があまりにも大きかったので,実際はさほど怖くはなかった。
しかしとても気持ちがよく,2度も続けて乗ってしまった。
2回目はととねさんのところのセーラーちゃんと乗った。
2回目となると,もう安心だ。
思いきって声を出して,その爽快さに満喫した。

2回の空中散歩を楽しんでみんなのところに帰ってきた。
「テレビで見ていたよ]という子供の声。
私は驚いた。カメラがあるのは聞いていたのだが,なんとカメラは
カメラでもビデオカメラだった。私の顔がしっかりとカメラに写っていて
下のテレビに写っていたのだ。
しかもビデオにちゃんと録画されていて,音声も録音されていた。
そこでみんなで見て大笑い。
ととねさんの家に帰ってからも再度みんなで見て大笑い。
そのビデオはしっかりとお土産になりました。
もう誰にも見せられません。
スリングショットは私立ちの後、Nさんの下の子供たちが乗りました。
再びととねさんの家に戻って,12時ごろまで宴会が続きました。

いよいよ明日は日本に帰る日です。
ホテルまでFさんに送っていただき、グアム最後の夜を静かにすごしました。


19. グアム最後の日


ついに日本に帰る日になった。
5日間の短い旅行だったが,とても充実した旅行になった。
朝食はいつものようにホテルのレストランで食べる。
毎朝ホテルの料理長さんが食事のメニューを説明してくれる。
そして決まったテーブルで,Fさんと食事がレストランのお決まりの
風景となってしまったようだ。
Fさんには朝から夜遅くまで色々とサポートしていただいた。
私とケイルがグアムに来る前から,このグアム旅行の計画が動き出してからの
サポートなので,たいへん苦労をされたであろうし,お疲れだったと思う。
いやな顔一つしないで笑顔で付き合ってくれたことに感謝する。
日本への飛行機は午後の出発なので,午前中は買い物に時間を当てる。
ととねさん一家が付き合ってくれた。
そしてFさんの娘さんも一緒になった。
買い物は世界で1番大きいといわれている「ABCストアー]
友人にTシャツやビーフジャーキーなどを買う。
3日目の夜に免税店で少し買い物もしてあった。
買い物をすませ,再びホテルへ戻り,荷物をまとめる。
来るときはすかすかのスーツケースだったが,お土産でいっぱいになった。
私の心にも思い出でいっぱいだ。
ケイルのハーネスをはずしてあげて,みんなでケイルと遊んだ。
ホテルを出たらお仕事モードになってしまうから,
今のうちに遊んでもらう。
犬と遊ぶのはどっちが遊んでもらっているのかわからなくなる。
いつまでも遊んでいるわけにもいかないので,なごりおしいが
ハーネスをつける。
5日間お世話になった部屋をFさんにチェックしてもらう。
忘れ物はなさそうだ。
みんなでロビーに降りる。
ホテルの従業員おみんなも時々声をかけてくれていた。
特に話しをしたわけではなかったが,なぜか親しくなれたような気がする。
フロントでチェックアウトの手続きをすませホテルのワゴンで空港に向かう。
オンワードビーチホテルから空港への道は何度となく通った道だ。
ほどなく空港につき建物の中に入る。
空港はテロの影響で小銃を持った兵士が見回りをしている。
乗客は少なく,搭乗手続きと,荷物の検査などはすぐに終わった。
空港にはJALのIさん夫婦も見送りに来てくれた。
お昼を2階の中華レストランで軽く食べる。
JALの事務所の前で何枚か記念撮影をすませ,いよいよお別れになる。
グアムにきたときも感激で涙目になり,昨夜のパーティーではO泣きして
今も涙目になりそうになってきた。
別れの言葉とか,感謝の言葉を口から出そうとすると,
涙まで出てきそうになる。
しっかりした挨拶もそこそこにゲートに向かい,涙を隠すように中に入る。
少しだけ振り帰り,手を振ったり,頭を下げる。
でもほんとに手を振っていたのかどうかよくわからない。涙を流さないように
ぎこちなく,ごまかしてしまった。
ほんとに情けない自分です。
飛行機の中まで,JALの職員の方と,Iさんが送ってくれた。
Iさんのご好意でケイルがゆっくりできるだろうと,エコノミーから
ビジネスクラスにアップしてくれた。
初めてのビジネスクラス。とてもゆったりとしていてケイルも私も
のんびりと日本までの3時間少しをすごすことができた。

グアムに初めて盲導犬が入れたのだが,私一人ではとうていできなかった
ことだと思う。ととねさんをはじめ,ホテルのFさん,従業員の皆さん。
空港の関係者。日本の検疫の職員。
そして書類をグアムまで持っていってくれた友人。
ケイルの健康診断書を書いてくれた獣医さん。ツアーのお世話をしてくれた
近畿日本ツーリストの皆さん。
そしてたくさんの書類を書いてくれた妹。
みんながいたからグアムにいけて,楽しくすごせ,思い出いっぱいで
帰ってこられたのだと思います。
この場を借りて皆さんいお礼を言いたいと思います。
皆さんどうもありがとうございました。
おかげで忘れられない旅行ができました。
この経験を,次にグアムに行きたいと思っている,盲導犬ユーザーの
道標になれたら幸いだと思います。

長い間,読んでいただきありがとうございました。




ケイルグアムから
グアムのととねさんが作られたHPです。写真がいっぱいですよ!



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